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細胞説のアイデアをひそかに温めていたシュワンは、シュライデンと出会って会話をする中で、自身の考えに確信をもつようになります。シュライデンは植物学が専門でしたが、彼もやはり「植物の体はすべて細胞でできているのではないか」という植物についての細胞説を思いついていたのです。
二人は意見を交換しあっただけでなく、シュライデンがシュワンの研究室を訪れて、動物の細胞を共に確認したこともあったといいます。この交流によって、二人は自分たちの学説に自信を持つようになっていきました。
この出会いの翌年、シュライデンは植物についての細胞説を発表。さらにその翌年に、シュワンが「植物だけではなく動物も細胞からなる」という主張の含まれた論文を発表したのでした。
二人の出会いがなければ、細胞説の始まりはもう少し遅くなっていたかもしれませんね。
多彩な科学者だったシュワン
こうしてシュワンは細胞説の提唱者の一人として教科書にも名前を残す人物になりました。しかしながら、今回ご紹介した通りシュワンはとても多彩な生物学者であり、細胞説以外にも数々の功績を残しています。1845年にはイギリス王立協会から研究業績を表彰するコプリ・メダルが送られ、1875年にはプロイセン王国から勲章も授与されました。
教科書で見かける名前は味気ないもの。それぞれの科学者の背景を知ることは、科学の勉強をより面白くしてくれますよ。