理科生物細胞・生殖・遺伝

細胞説だけじゃない!多彩な研究者「シュワン」を現役講師がサクッとわかりやすく解説!

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シュワンが発酵に関する説を主張したのは1837年だ。その当時、パスツールはまだ15歳だった。

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シュワンは高性能の顕微鏡を使い、アルコール発酵したものの中に微生物(酵母)がいることや、発酵が進むにしたがってその数を増やすこと、その微生物がいないと発酵が進まないことなどを実験によって示します。

とても理論的なアプローチだったのですが…このシュワンの研究に対し、多くの生理学者は批判的な態度をとりました。発酵という現象は、生物が関わらなくても、純粋な化学反応によって引き起こされるという考えが根強かったのです。

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シュワンはほぼ正解にたどり着いていたわけだが、発酵と微生物の関係が正しく認識されるようになるにはパスツールの研究を待たなくてはならなかったんだな。

「代謝」という言葉をつくった

以上のように、シュワンは生物の体内で起きる様々な反応に強い興味を抱いていました。そして、生体内で引き起こされる化学反応を示す言葉として、ドイツ語の「metabolische」という言葉を生みだしたのです。「metabolische」は英語で「metabolism」、日本語では「代謝」と訳されます。

シュワン細胞の発見

シュワンは筋肉や神経の研究をしているときにシュワン細胞を発見しました。シュワン細胞は、神経細胞の軸索を包むようにして存在する神経膠細胞(グリア細胞)の一種。軸索を鞘(さや)のように覆っていることから、鞘細胞ともいわれます。

この、シュワン細胞とオリゴデンドロサイトという細胞が髄鞘(ずいしょう)という構造をつくっているのです。

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髄鞘の存在は、神経細胞内のパルスの伝導速度を早めるのに重要な役割を果たす。簡単に言えば、軸鞘があることで、刺激が早く伝わるんだ。この辺の話は高校生物で学習するので、覚えておくといいだろう。

動物について細胞説を提唱

シュワンの成果の中で最もよく知られているのが、動物の細胞説を提唱したことです。

細胞説とは、「生物の体は細胞からなっている」という仮説。現代の知識からすればあたり前のことですが、逆に言えばこの当時までこういった考え方は一般的ではなかった、ということになります。

シュワンやシュライデンの時代には、顕微鏡の精度が上がったり、細胞の染色技術などが次々と開発されるようになっていました。それらの技術的な発展も相まって、細胞説が誕生したのです。

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