化学

化学調味料ってどんな調味料?科学館職員が解説

よぉ、桜木建二だ。料理を手軽に美味しくできる化学調味料、きっとどこの家庭のキッチンにもあるだろう。化学調味料があるとみそ汁、煮物などを作る時に便利だな。

化学調味料を知っていても、いつどうやってできたのか知らない人も多いだろう。化学調味料の歴史は古く、なんと明治時代まで遡る。また化学調味料は体に悪いというイメージがあるが、そう思われるようになったのには理由がある。

発明の経緯、その成分などいつも口にしてるのにあまり知られていない化学調味料について科学館職員のたかはしふみかが解説するぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

たかはし ふみか

ライター/たかはし ふみか

料理は作るより食べる方が好き、手軽に使える調味料大好きなリケジョ。不思議な現象の理由を解き明かす科学が好きで理系に進んだ科学館職員。

そもそも化学調味料とはなにか?

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そもそも化学調味料とはどんなものでしょうか。化学調味料とは人工調味料の一種で、舌にうま味を感じさせる成分を人工的に精製したものです。

化学調味料はよく聞く言葉ですが、実は現在の正しい呼び方ではありません。経緯は後程詳しく解説しますが、 現在はうま味調味料と呼ばれています。

化学調味料の歴史

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化学調味料が発売されたのは1909年、なんと明治42年です。ちなみに1909年は初代総理大臣、伊藤博文が暗殺された年でもあります。100年以上の歴史を持っているとは意外ですね。ではどのように開発されたのかその経緯を確認していきましょう。

化学調味料が発売される2年前、1907年に「酸・甘・塩・苦」に続く第5の味覚「うまみ」が提唱されました。このうま味を提唱したのは化学者の池田菊苗(いけだきくなえ)教授です。池田教授は昆布のうま味成分がL-グルタミン酸ナトリウムであることを発見し、精製することに成功しました。

そして翌1908年、「グルタミン酸を主要成分とする調味料製造法」に関する特許を取得し、最初の化学調味料「味の素」が製造販売されたのです。

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うま味成分(L-グルタミン酸ナトリウム)を発見したのは東京帝国大学(現東京大学)理学部化学科の池田菊苗教授だ。池田教授はこの功績によって日本の10大発明家とされている。池田教授は子供のころから昆布の出汁が好きで、それを研究にしたそうだ。池田教授がうま味成分を発見できたのは妻の協力があったからだ。

池田教授の妻は夜に何十㎏もの昆布を買いに行って刻んで夫の研究に協力した。偉大な研究に周囲の協力は欠かせないんだな。そしてこの時に昆布を部煮るのに使った器具は今も東京大学にあるらしいぞ。

化学調味料は1920年代にアメリカに輸出され、戦後の食料がおいしくない時代に活用され普及しました。しかし、化学調味料の摂取しすぎから体調不良になったという人が続出します。その後、様々な研究の結果からWHOが化学調味料の安全を認める発表をしました。しかし、この出来事から未だに化学調味料に否定的な意見を持つ人が多くいます。

この件に関しては後程詳しく説明しますね。

化学調味料と呼び方

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化学調味料はもともとその商品名、「味の素」と呼ばれていました。そして昭和30年代に国営放送で扱う際、登録商標を流すことを避けて化学調味料という呼び方をするようになったと言われています。しかし1990年代から化学調味料を「うま味調味料」と呼ぶようになりました。化学、という言葉に不健康なイメージを持つ人が多くいたからです。

1948年に発足した日本うま味調味料協会も1985年までは「日本化学調味料工業協会」という名称でした。

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たかはし ふみか