1.彼が仕事をせず、無為徒食の毎日を送っているのは、親の遺産だけで十分に食べていけるからだと近所の人はうわさをしている。
2.貯金がそろそろ底を突きそうだから、無為徒食の生活を何とか変えなくてはいけない。
3.医学部を目指して三浪している彼は、今年の入試も失敗してやる気をなくしてしまい、無為徒食の人になってしまった。
最初の例文は、彼には遺産があるから定職につかずにぶらぶらしていても困らない、という意味です。仕事をしていないとどうやって生計を立てているのか憶測したくなるようですね。
2番目の例文は、生活費がもうすぐなくなりそうなので、何もしない生き方をやめなくてはいけないということです。3番目の例文は、医学部受験に失敗した彼がやる気をなくし、ただぶらぶら遊んでいるという意味ですね。仕事でも勉強でも就職活動でも、何かやっている人のことは「無為徒食」とは言いませんよ。
「酔生夢死(すいせいむし)」:一生を無為に過ごす
「酔生夢死」は「すいせいぼうし」とも読みます。語源は『程子語録(ていしごろく)』の「雖高才明智、膠於見聞、酔生夢死、不自覚也」です。「才能や知恵があっても、見聞きしたことにとらわれて、酒に酔ったような夢心地でいるなら、自分で悟りをひらくことはできない」という意味ですよ。「酔生夢死」とは「何もなすことなく、一生を無為に過ごすこと」です。
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「飽食終日(ほうしょくしゅうじつ)」:食べる以外何もしない
「飽食」は「飽きるほど十分に食べること」、「終日」は「一日中」です。「飽食終日」は「一日中飽きるほど食べて、他には何もせず一日を過ごすこと」ですよ。語源は『論語』「陽貨(ようか)」の「子曰。飽食終日。無所用心。難矣哉。不有博奕者乎。爲之猶賢乎已。」です。「子は言った。食べてばかりで何もしないのは困ったものだ。双六や碁でもしないよりましだ」という意味ですよ。
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