「堅忍不抜」の使い方・例文
では、「堅忍不抜」をどのように使えばよいのか、例文を見ていきましょう。
1.「堅忍不抜」を座右の銘に持つ彼は、我慢強く、しっかりとした意志を持った、その言葉にふさわしい人物だ。
2.新しいプロジェクトリーダーになった彼女は、堅忍不抜の精神を持って、そのプロジェクトを成し遂げた。
「堅忍不抜」は、「どんな難事にも揺れ動かず、耐えること」を意味しますが、主に精神や意思について使われる言葉です。よって、例文のように、文の中で使うときにも、堅い心や強い意思を表現する場合に使われるのが妥当でしょう。
「難事に耐える」というところだけで考えると、強風に耐え抜いた木、などを思い浮かべることもありますが、この場合には意思のあるものではないため、「堅忍不抜」を使うことは適当ではありません。
また、「意思が強い」というと、「頑固」のような融通のきかない意思の硬さをイメージすることもありますが、ただ頑として譲らない、というような意思の強さではなく、「志のある強い思いがあるから難事にも耐え抜く」というような強い意思を感じる場合に使われるべきでしょう。
「不撓不屈」
「不撓不屈」の読みは「ふとうふくつ」、意味は「強い意志を持って、どんな苦労や困難にもくじけない様子」です。
「堅忍不抜」と大変似た意味を持っていますが、「不撓不屈」は「何があっても自分の意志は曲げない」という意味で能動的なのに対し、「堅忍不抜」は「自分の意思のために耐え抜く」という意味で受動的という違いがあります。
意味自体はとてもよく似ている言葉同士なので、使う対象の状況をよく見た上でどちらを使うのか、見極める必要がありそうですよ。使い方を間違えると、印象が正反対に変わってしまうので、気をつけましょう。
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