この記事では「足もとを見る」について解説する。

端的に言えば「足もとを見る」の意味は「弱みにつけ込む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「足もとを見る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。読書を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「足もとを見る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「足もとを見る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「足もとを見る」の意味は?

「足もとを見る」には、次のような意味があります。

相手の弱点を見抜く。相手の弱みにつけこむ。足許に付け込む。 

出典:大辞林 第三版「足下を見る」

立派なスーツを着こなしていても、履いている靴がボロボロだとしたら、相手はどう思うでしょうか。おそらく、足もとに注目してしまうかと思います。「足(あし)もと」は、苦しい立場や状況、弱点という意味。そこから「足もとを見る」という慣用句が生まれました。ちなみに「足もと」は、「足元・足下・足許」の3つがありますが、どれを使っても問題ありません。

ビジネスにおいて取引する際、駆け引きが行われるのは日常茶飯事です。たとえば、商品を作り上げるのに、必要な部品の仕入先が一社のみだったとしましょう。部品の仕入価格は少しでも安くしたいところ。しかし、部品を他社で購入できないと知っているため、仕入先は価格の値上げを要求してきました。これは、明らかに「足もとを見ている」からこその要求ですよね。弱みにつけ込まれたら逃げようがありません。だからこそ、足もとはしっかりと固めておく必要があるのです。

「足もとを見る」の語源は?

次に「足もとを見る」の語源を確認しておきましょう。「足もとを見る」の由来は、江戸時代の旅人からでした。当時は、移動手段といえば徒歩のみ。宿に到着する頃にはヘトヘトに疲れていたのです。そこで、駕籠を担いで人を運ぶ「駕籠舁(かごか)き」や、馬に人や物を乗せて運ぶ「馬方(うまかた)」は、旅人の足元に注目しました。

元気を装っていても足元がフラフラなら疲れている証拠。もしくは、草履が痛んでいたら、よほど遠くから歩いてきたのだろうと予想がつきますよね。疲れていれば、少しくらい高い宿代でも早く休みたいはず。旅人は見事に足元を見られ、高額な宿代を請求されてしまったのが始まりといわれています。

\次のページで「「足もとを見る」の使い方・例文」を解説!/

「足もとを見る」の使い方・例文

「足もとを見る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ライバルに負けないためにも、足もとを見る必要がある。

2.気合いを入れて交渉に挑んだ結果、足もとを見られてしまった。

3.足もとを見られると、イエスかノーか返事に困ってしまう。

「足もとを見る」を使う状況としては、ビジネスでは取引に難航した際の報告に、日常生活では値段交渉に失敗した時などに使うとよいでしょう。では、なぜ足もとを見られてしまうのか。それは、脇が甘いからといえます。すなわち、守りが弱いといえますね。

仕事ができるビジネスパーソンほど、末端に気を配る傾向にあります。ピカピカに磨かれた靴、パリっとしたシャツの袖、普段使いのペンに至るまで、装いからして相手に隙を与えません。さらに、取引先の情報を入念に調べたうえで、いくつものパターンを想定して交渉に挑みます。弱点は、気を抜いた時に表れやすいもの。負けられない勝負時にこそ、足もとに気を使うべきではないでしょうか。

「足もとを見る」の類義語は?違いは?

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では、「足もとを見る」の類義語をみていきましょう。

「踵を狙う」

「踵(かかと)を狙う」は、「足もとを見る」と全く同じ意味になります。「かかと」を攻撃されたら、だれでも倒れてしまいますよね。上司が「踵を狙うぞ」と言ってきたら、身を引き締めて交渉に挑むようにしましょう。

\次のページで「「足下につけ込む」」を解説!/

「足下につけ込む」

「足下につけ込む」も、ほぼ「足もとを見る」と同じ意味ですが、さらに相手の弱点につけ入ることになります。要するに、相手の隙や弱点を利用してしまうことになりますね。そのため、足下につけ込まれたら、すでに相手の罠に足を踏み入れている可能性があります。一刻も早く、状況を打破するための方法を考えた方がよいといえるでしょう。

「内兜を見透かす」

「内兜を見透かす」の意味は、相手の内情や弱点を見抜くこと。「内兜」は内々の事情、すなわち「弱点」を差しているので「足もとを見る」と同じ意味になります。交渉相手に見透かされないようにするためにも、見た目や言動に気を抜いてはいけません。内兜を見透かされたとしても、焦らず対応できるようにしておきましょう。

「足もとを見る」の対義語は?

相手を弱みにつけ込むことばかり考えていると、心が疲れてしまうのではないでしょうか。「足元」の対義語は「手元」ですが、「手元を見ない」といった慣用句は存在しません。そこで今回は「相手を思いやる」といった意味合いで対義語をご紹介します。

「人を見て法を説け」

「人を見て法を説け」は、相手の人柄や能力を見て、それにふさわしいアドバイスをすべきだという意味。マニュアル通りに動いたところで、人の心が掴めるとは限りません。やはり、人に合わせた働きかけをすることで、相手の気持ちを掴むことができるのではないでしょうか。

「足もとを見る」は、相手をよく観察して弱点につけ込むわけですが、「人を見て法を説け」は、むしろ助言をくれるわけです。円滑に交渉を進めたい場合や、これからも良い付き合いをしていきたい取引先にこそ、「足元を見る」よりも「人を見て法を説け」が必要といえますね。

「足もとを見る」の英訳は?

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では、「足もとを見る」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

\次のページで「「take advantage of」」を解説!/

「take advantage of」

「足もとを見る」というよりは「弱みにつけ込む」という意味で英訳した方が伝わりやすいかと思います。「take」は「取る」という意味。「advantage(アドバンテージ)」は「有利な点」や「強み」という意味になります。「take advantage of~」と繋げることで「~を利用する」つまり「つけ込む」と英訳することができますね。「He took advantage of my weakness」と言えば、「weakness」は「弱点」という意味なので「彼に足元を見られた」と伝えることができるでしょう。

「足もとを見る」を使いこなそう

この記事では「足もとを見る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「足もとを見る」以外にも、「足元にも及ばない」や「足元に火がつく」など、「足もと」に関係した多くの慣用句が存在します。これだけ「足もと」に注目しているのは、やはり、それだけ「足もと」が重要だといえるからではないでしょうか。第一印象も大事ですが、隙ばかりで脇が甘いと、信用を失うことになりかねません。迷った時こそ、足もと(弱点)を見ることも大事。自信を持って挑めるように、身だしなみから気をつけてみてはいかがでしょうか。

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国語言葉の意味

【慣用句】「足もとを見る」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「足もとを見る」について解説する。

端的に言えば「足もとを見る」の意味は「弱みにつけ込む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「足もとを見る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。読書を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。

「足もとを見る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「足もとを見る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「足もとを見る」の意味は?

「足もとを見る」には、次のような意味があります。

相手の弱点を見抜く。相手の弱みにつけこむ。足許に付け込む。 

出典:大辞林 第三版「足下を見る」

立派なスーツを着こなしていても、履いている靴がボロボロだとしたら、相手はどう思うでしょうか。おそらく、足もとに注目してしまうかと思います。「足(あし)もと」は、苦しい立場や状況、弱点という意味。そこから「足もとを見る」という慣用句が生まれました。ちなみに「足もと」は、「足元・足下・足許」の3つがありますが、どれを使っても問題ありません。

ビジネスにおいて取引する際、駆け引きが行われるのは日常茶飯事です。たとえば、商品を作り上げるのに、必要な部品の仕入先が一社のみだったとしましょう。部品の仕入価格は少しでも安くしたいところ。しかし、部品を他社で購入できないと知っているため、仕入先は価格の値上げを要求してきました。これは、明らかに「足もとを見ている」からこその要求ですよね。弱みにつけ込まれたら逃げようがありません。だからこそ、足もとはしっかりと固めておく必要があるのです。

「足もとを見る」の語源は?

次に「足もとを見る」の語源を確認しておきましょう。「足もとを見る」の由来は、江戸時代の旅人からでした。当時は、移動手段といえば徒歩のみ。宿に到着する頃にはヘトヘトに疲れていたのです。そこで、駕籠を担いで人を運ぶ「駕籠舁(かごか)き」や、馬に人や物を乗せて運ぶ「馬方(うまかた)」は、旅人の足元に注目しました。

元気を装っていても足元がフラフラなら疲れている証拠。もしくは、草履が痛んでいたら、よほど遠くから歩いてきたのだろうと予想がつきますよね。疲れていれば、少しくらい高い宿代でも早く休みたいはず。旅人は見事に足元を見られ、高額な宿代を請求されてしまったのが始まりといわれています。

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