「和衷協同」の対義語は?
では対義語にはどんなものがあるでしょうか。
「四面楚歌」
三省堂 新明解四字熟語辞典
しめん-そか
周囲がすべて敵や反対者で、まったく孤立して、助けや味方がいないこと。また、そのさま。孤立無援。
出典: 三省堂 新明解四字熟語辞典
この四字熟語については記事を書かせていただいています。お時間が許せばこちらをご確認ください。中国の歴史で最強ともいわれる武将の悲しい最期のお話です。
こちらの記事もおすすめ
「To be united」
uniteは力を合わせる、合併するなどの意味がありますがそこには「同じ目的で」という意味も含まれています。この単語で見る機会が多いのはやはり、USA United States of America, ですよね。同じ志を持った州が集う連合国家であるというのがアメリカという国の建前であり、本質です。日本の国という概念とはちょっと違っているのがポイントですよね。
書経は日本にも大きな影響を与えています。中でも一番身近なものは元号ではないでしょうか。元号は元来中国の古典にある言葉を引用したものがほとんどで、中でも書経は重要な書物として位置付けられていたこともあり多くの元号が書経由来となっています。直近の「昭和」や「平成」も書経が出典。なお、ほとんどと書いたことの例外は「令和」です。令和は日本最古の和歌集である万葉集が出典。初めて漢文由来でない元号となったことと、当時の日中関係から中国国内で日本文化に詳しい一部のから反発があったようです。ただ、年号の由来や今までずっとそうだったことまで理解している関係というのは決して悪いものではないようにも思えます。
内容も固く、現代で読む人はなかなかいないと思われる書経ですが、いつも使っていた年号の由来だと思えば親近感がわくのではないでしょうか。
「和衷協同」を使いこなそう
「和衷協同」について解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか。この言葉は日常で使おうとするとかなり固い印象になってしまいますので、仕事や公式な場面でも類義語であげさせていただいた、「一致団結」のほうが伝わりやすいとは思います。ただ、学ぶことは決して無駄ではありません。
日本でも聖徳太子の「十七条の憲法」のなかに「和を以て貴しとなす」という記載があり、そこから日本の心、「和」の心をかたることがあります。ただ、中国ではそれよりもはるか昔に、全く同様の意味で「和」の大切さをうたっていたところに歴史の重みを感じずにはいられません。聖徳太子よりも800年も前の書物にそれは書かれていたのですから。もちろん、聖徳太子の時代には中国から多くの文化が流入しており、その中には書経もあったことでしょう。日本人が日本古来のものととらえているものの源流には中国文化があることも、この言葉一つから学ぶことができるのです。