化学物質の状態・構成・変化理科

オカルト話ではありません!「自然発火」を元塾講師がわかりやすく解説

2-5.自然発火する植物

image by iStockphoto

枝や枯れ葉同士の摩擦が原因での山火事というのは先述のとおりです。一見悪い偶然が重なったことによるものと思うかもしれませんが、植物の中にはあえて自然発火を起こしやすくするための進化を遂げたものもあります。

例えばユーカリはテルペン類という引火性物質を含んでおり、乾燥と暑さが重なることで自然発火する植物です。茎から揮発性の油を発し、35℃以上になると発火する性質を持つゴジアオイという植物もあります。ゴジアオイの種子は高温にも耐えることができるので、周辺の木々を焼き払うことで十分に日光を浴びて自らの生息圏を広げようとするのです。もちろん植物が自ら火を起こしたり、意思をもって行動することはありません。しかし生き残るため、独自の進化を遂げるのは動物も植物も同じだということがわかりますね。

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近年では植物界のサイコパスともいわれているゴジアオイだか、実際にこれが原因での山火事は報告されていないようだ。それよりもユーカリは毒性も強く、危険度としては高いかもしれないな。

身近にも危険が潜む自然発火

自然発火とは人為的・意図的に火をつけることなく、火元なしで燃え始める(発火)現象です。つまり、焚火のために火を起こすこと(人為的)やガスが漏れているところでライターをつけること(引火)とは異なります。例えば油の酸化による発火、光の収束による収れん火災発生、落雷による自然災害などが自然発火の代表です。自宅の火災の原因はガスやヒーターの消し忘れ、寝たばこなどが挙げられますが、自然発火による火災が起こらないとも限りません。少しでも知識として知っておけるといいですね。また、今回は面白い植物を1つ紹介しました。直接ゴジアオイが山火事を引き起こすわけではないにしても、いざ発生したときには熱から種子を守り、揮発性の油で延焼を広げることで自らが有利になるように進化した植物ということですね。変わった特性・習性を持つ動植物について調べるのは面白いものです。ぜひいろいろな分野に興味を持って、知識を深めていってくださいね。

 

画像引用:いらすとや

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