教師は授業を行うほかに生徒や学生を評価するという仕事もありますよね。本人が「公平無私」に評価したつもりでも、生徒の間では「○○ちゃんは先生に贔屓されてる!」といったような噂が立ってしまうことも。

今回はそんな「公平無私」について院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働いている日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「公平無私」の意味や語源は?

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「公平無私」という四字熟語、あまりなじみのない言葉かもしれません。ただ知っておくと便利な言葉であることは間違いありません。まずは、その「公平無私」の意味と語源について確認していきましょう。

「公平無私」の意味は「平等で個人的な判断に走らないこと」

最初に、「公平無私」の辞書での意味を確認していきましょう。「公平無私」は次のような意味が国語系の辞典に掲載されています。

かたよらず平等で、個人的な判断に走らないこと。

大修館 四字熟語辞典(大修館書店)「こうへい‐むし【公平無私】」

「公平無私」は「かたよらず平等で、個人的な判断に走らないこと」という意味の四字熟語です。何か物事を決断しなくてはならない場合や、評価を下す必要がある場合に、公正で平等な判断・評価を行うことを表します

「AとBならAが採用された方が私にとっては嬉しい」「C君は普段は態度が悪いけど、今回は頑張ったから特別に評価してあげよう」…などといった私情を一切捨てて、判断や評価を行うことを指すのが、この「公平無私」です。

「公平無私」の語源は”古代中国の書物”にあり!

「公平無私」の語源はどこからでしょうか? 実は「公平無私」は、古代中国の『韓詩外伝』という伝承などを記録した書物に出てきたのが初登場だとされています。「正直なるものは道に順ひて行ひ、理に順ひて言ひ、公平無私なり。」という部分です。意味もこの記述から現在まで、変化していません。

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「公平無私」の使い方を例文とともに確認!

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続いて、「公平無私」の使い方を例文とともに確認していきましょう。「公平無私」は「公平無私な」という形で、形容動詞として使用されることが多い表現です。

1.教師が生徒の成績をつけるときは、公平無私な姿勢が求められる。
2.初めて裁判に裁判員として参加したが、公平無私に判決を考えることはとても難しいことだと学んだ。
3.公平無私な判断ができる政治家が増えることを願う。

例文1では、桜木先生が1番最初に言っていたような、教師の姿勢について言及した文ですね。成績をつける際には、「私情を挟まない公平・公正な姿勢が求められる」という文脈で「公平無私」が使用されています。自身も教師ですが、これがなかなか難しいのです。

例文2では、「自身の感情を入れずに公正に判決を考えるのはとても難しい」という文脈で「公平無私」は使用されています。日本では裁判員制度がありますが、一般人が「公平無私」に判決を考えるのは難しそうですよね。

例文3では、「私利私欲にとらわれない公正な判断ができる政治家が求められる」という文脈で「公平無私」が使用されています。政治家が私欲に走って苦労をするのは一般国民です。「公平無私」な政治家が増えることを願うばかりですね。

「公平無私」の類義語は?

続いて、「公平無私」の類義語を確認していきましょう。「公平無私」の類義語は「無私無偏」「厳正中立」「是々非々」です。意味やニュアンスを確認し、「公平無私」と比較してみてください。

「無私無偏」:自分の利益のみを図ることなく、公平・中立

「無私無偏(むしむへん)」は「自分の利益のみを図ることなく、公平・中立であること」という意味の四字熟語です。「無私」は「私心がないこと」を、「無偏」は「偏らずに中正であること」を表します。意味やニュアンスは「公平無私」と同じです。

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「厳正中立」:厳格に公正な立場を守り、常に中立

「厳正中立(げんせいちゅうりつ)」は「厳格に公正な立場を守り、争っているもののどちらにも偏らないこと」という意味の四字熟語です。意味は「公平無私」と似ていますが、「厳正中立」は、二者間で対立があり、その間に立っている場合のみで用いられるという違いがあります。

「是々非々」:私心に左右されることなく公正に判断

「是々非々(ぜぜひひ)」は「良いことは良い、悪いことは悪いと認め、私心に左右されることなく公正に判断すること」という意味の四字熟語です。政治の世界でよく使用される言葉ですが、前半の「良いことは良い、悪いことは悪いと認める」という意味だけが独り歩きしているような印象ですね。本来は「私心に左右されることなく公正に判断する」というニュアンスも含まれます

「公平無私」の英語表現は?

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最後に、「公平無私」の英語表現について確認していきましょう。「公平無私」の英語表現は「impartial」「impartially」です。意味や例文を見ていきましょう。

「impartial」「impartially」:偏らない/偏らずに、公平無私な/に

「impartial」は「偏らない」「公平無私な」、「impartially」は「偏らずに」「公平無私に」という意味を持った英語表現です。「公平無私」の訳語としてよく利用される表現ですね。例文で確認していきましょう。

1.Politicians are strongly expected to be impartial, and not driven by self-interest.
政治家には私利私欲に走らず、公平無私であることが強く求められる。

2.Although the judges thought they had made an impartial decision, the public outcry was more than they had anticipated.
裁判官たちは公平無私な判断を行ったつもりであったが、世論の反発は想定以上だた。

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大勢での話し合いの時は、「公平無私」な判断を!

今回は「公平無私」について解説しました。「公平無私」は「かたよらず平等で、個人的な判断に走らないこと」という意味の四字熟語です。私情を挟まず公平に評価や判断を行うというニュアンスの表現でしたね。

大勢の話し合いでは、どうしても意見が割れてしまう時があります。そのような場で自分の意見や判断を求められた場合は、人に流されたり、その時の感情に流されたりするのではなく、「公平無私」な判断を行いましょう。その意見や判断は、きっと間違いありません。

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国語言葉の意味

意味は漢字そのまま?「公平無私」の意味や類義語などを院卒日本語教師がわかりやすく解説

「公平無私」の使い方を例文とともに確認!

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続いて、「公平無私」の使い方を例文とともに確認していきましょう。「公平無私」は「公平無私な」という形で、形容動詞として使用されることが多い表現です。

1.教師が生徒の成績をつけるときは、公平無私な姿勢が求められる。
2.初めて裁判に裁判員として参加したが、公平無私に判決を考えることはとても難しいことだと学んだ。
3.公平無私な判断ができる政治家が増えることを願う。

例文1では、桜木先生が1番最初に言っていたような、教師の姿勢について言及した文ですね。成績をつける際には、「私情を挟まない公平・公正な姿勢が求められる」という文脈で「公平無私」が使用されています。自身も教師ですが、これがなかなか難しいのです。

例文2では、「自身の感情を入れずに公正に判決を考えるのはとても難しい」という文脈で「公平無私」は使用されています。日本では裁判員制度がありますが、一般人が「公平無私」に判決を考えるのは難しそうですよね。

例文3では、「私利私欲にとらわれない公正な判断ができる政治家が求められる」という文脈で「公平無私」が使用されています。政治家が私欲に走って苦労をするのは一般国民です。「公平無私」な政治家が増えることを願うばかりですね。

「公平無私」の類義語は?

続いて、「公平無私」の類義語を確認していきましょう。「公平無私」の類義語は「無私無偏」「厳正中立」「是々非々」です。意味やニュアンスを確認し、「公平無私」と比較してみてください。

「無私無偏」:自分の利益のみを図ることなく、公平・中立

「無私無偏(むしむへん)」は「自分の利益のみを図ることなく、公平・中立であること」という意味の四字熟語です。「無私」は「私心がないこと」を、「無偏」は「偏らずに中正であること」を表します。意味やニュアンスは「公平無私」と同じです。

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