「千辛万苦」
「千辛万苦(せんしんばんく)」もまた、「粒粒辛苦」の類義語だといえるものです。こちらは、「辛苦」という熟語をベースに、非常に多いことを表す「千」や「万」が付いて四字熟語を形成しています。
つまり、「辛苦」が非常に多いさまを表わしているというわけですね。では、ここでこれらの類義語を用いた例文をチェックしておきましょう。
苦心惨憺してようやく手に入れたレギュラーの座をそうやすやすと明け渡すわけにはいかない。
我々は、先人たちが千辛万苦の思いで培ってきたものを後生の人々にも伝えていかなければなるまい。
#3 「粒粒辛苦」の対義語は?
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さて、「粒粒辛苦」の対義語はどのようにとらえればいいのでしょうか。苦労に苦労を重ねるの反対は、これといった障害もなく物事が順調に進んでいる様子を表す言葉ではないでしょうか。
「順風満帆」
「順風満帆(順風満帆)」は、「粒々辛苦」の対義語の中でも代表格といえるものです。この四字熟語は、思い通りに事が進んでいくことを表しています。
前半部の「順風」は追い風を表す言葉です。後半部の「満帆」は帆いっぱいに風を受けている様子を意味しています。
このように、「順風満帆」は物事がスムーズに進んでいる様子を航海にたとえて表現しているのが特徴です。
「無為不言」
「無為不言(ぶいふげん)」もまた、「粒粒辛苦」の対義語だといえるものです。こちらの四字熟語には、何もせず何も言わずとも物事がまくいくことを表しています。
ふだんは「無為」を「むい」と読んでしまうことが多いのですが、この四字熟語においては「ぶい」と読むことに注意しましょう。では、こちらも例文で使い方を確認しておきましょう。
君の班が立てた計画が順風満帆に進行しているからといって、けっして油断だけはしてくれるなよ。
社長はただ見守っているだけで仕事がうまくいっている様子は、まさに無為不言だといえるものだった。
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