この記事では「宣戦布告」について解説する。「宣戦布告」は知名度の高い四字熟語です。資料で、メディア作品でと至る所で見かけるから、意味合いの割には小学生でも知ってる場合があるな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「宣戦布告」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「宣戦布告」の意味とは?

image by iStockphoto

「宣戦布告」の意味は以下のとおりです。

外交手段として軍事力を行使することの表明。戦争へ突入すること、その意志があることの宣言。

出典:「宣戦布告 意味」

簡単に言うと、決意表明や宣言のことです。しかもただの宣言ではなく、これから「戦いを開始する」という宣言になります。宣言・決意表明とは言いますが中でも対象は戦う相手、つまり敵側に限定されている言葉です。味方に対して「これから戦いを始めます」と知らせることは「宣戦布告」と言う言い方はしません。

主に国同士の戦争や民族同士の紛争など、比較的大規模な争いに対して使われることが多いですが、1対1の戦いであっても「宣戦布告」は使えます。人数の多さや戦いの規模によって使えたり使えなかったりということはありません。

「宣戦布告」ってどう読むの?

「宣戦布告」の読み方は「せんせんふこく」です。予備知識なしでは一瞬戸惑うかもしれませんが、分解していくとそれほど難しくないことが分かるでしょう。「宣(せん)」は「宣伝(せんでん)」「宣教師(せんきょうし))」などの「宣」であり、「広く知らせる/はっきり言う」という意味です。つまり、「宣戦」で「戦うことをはっきりと表明する」という意味になります。

「布告(ふこく)」も広めるという意味がありますが、「宣戦」と異なるのは「戦うこと」というニュアンスが消え、代わりに「公式に」というニュアンスが加わることです。総合して「宣戦布告」で、戦う意思を公式にはっきりと表明するという意味になります。

「宣戦布告」ってどう使うの?

「宣戦布告」は以下のように使用します。

\次のページで「「宣戦布告」ってどの場面で使えば良いの?」を解説!/

1.1914年にドイツはロシアに対し「宣戦布告」を行った。
2.我が社に対する彼の言動は、事実上の「宣戦布告」と捉えられる。
3.彼女は君に「宣戦布告」されたと思っている。和解するのは難しいだろう。

主に「する/した」「される/された」などの言葉が繋がるケースが多いです。辞書上の厳密な意味としては「宣戦布告」には「公式に/誰が見てもはっきりと」というニュアンスが入ります。

しかし日常で実際に使用される場合は2、3番の例文のように「宣戦布告したようなもの」「宣戦布告とみなす」などと、相手側が挑発と受け取り敵意を露にするという文脈での使い方も少なくありません。よりカジュアルに、「喧嘩を売られた」「煽られた」ということを「宣戦布告」と呼ぶ場合も多いです。

「宣戦布告」ってどの場面で使えば良いの?

image by iStockphoto

「宣戦布告」は文法上は特に使うのが難しい言葉というわけではありません。しかし、実際に日常の場面ではどこで使うのか?という人も多いでしょう。確かに意味合いとしては物騒な言葉になるため、滅多なことでは使わないような気がすると感じるのは当然です。

しかし、実は意外にも使おうと思えば使える場面が見つかるのが、「宣戦布告」の特徴でもあります。もちろん強い言葉であるため多用には注意しなければなりませんが、使わなければ使えるようにはならないため、使い時を押さえて慣れていきましょう。

その1:人と競うときに

日本において殴ったり蹴ったりなどと言う「戦い」は、基本的に非合法で一部スポーツのみ認められているにすぎません。しかし、それ以外でも小さな戦いや競争は日常にありふれています。企業同士の業績争いなどの規模の大きいものはもちろん、オンラインゲームの対戦なども戦いといえば立派な戦いです。とらえ方によっては、ただのじゃんけんでさえ勝負であり、戦いになり得るでしょう。

重要であるのは、そこにどれだけ本気の熱意が入っているかということです。真剣な気持ちで相手と競いたいと願い、その気持ちを表明すれば、それはもう立派な「宣戦布告」と言えるでしょう。

その2:恋愛は真剣勝負?

宣戦布告の検索サジェストを見ると、「恋」という単語が出てきます。これは、恋愛と戦いを結び付けた上で「宣戦布告」を使用しているわけです。

恋愛というものは人と人との関係であり、人の気持ちが重要であるため、決意表明のニュアンスを持つ「宣戦布告」とは存外相性が良いもの。男女間の駆け引きを勝負に見立てて「宣戦布告」を使用するのもドラマチックです。一方で恋愛には三角関係もしばしば起こる状況であり、ひとりを取り合ってライバル同士が火花を散らす図は、正に真剣勝負。「宣戦布告」の出番としては、ぴったりと言えるでしょう。

\次のページで「「宣戦布告」の類義語は?」を解説!/

「宣戦布告」の類義語は?

image by iStockphoto

「宣戦布告」の類義語は、「戦いを始める/開戦を宣言する/戦闘開始」などです。ただし厳密には「開戦を宣言する」などの言い回しがより近くなります。

「戦いを始める/戦闘開始」などの言い回しは、戦いが始まることは示せているものの、「宣戦布告」の持つ「公式に宣言する/表明する/きっぱりと言う」などのニュアンスは入っていません。そのため、そのまま置き換えるとやや内容にズレが生じることになります。

一方で「喧嘩を売る/挑発する」などの言葉もありますが、これも相手の出方をうかがっているだけ。戦う意思はあるものの、相手の様子によっては戦わない考えもあるという意味を持つため、戦いは決定している「宣戦布告」とはやはり少々のズレがあります。

参考:「戦線」布告?

「宣戦布告」は戦いを開始するという宣言のことであり、ひいては戦闘に関する言葉です。そのため、しばしば「宣戦」の部分が「戦線」と間違われている場合があります。

「戦線」とは戦いがまさに行われている最前線のことですが、音が同じで戦闘に関わる言葉という点も共通しているため、間違われやすいようです。しかし意味合いとしては「宣戦」とまったく別物であり、「宣戦布告」と置き換え可能でもないため、注意してください。

なくならない「宣戦布告」

近代、はっきりと目に見える戦争の数は次第に少なくなり、それにともなって「宣戦布告」が大々的に行われることも少なくなりました。しかし、競争はあらゆる場面で大小さまざまに存在するもの。相手に勝負を申し出たり申し出られたりということはこれから先、どれだけ時代が進んでもなくなることはないでしょう。

それにともなって、おそらく「宣戦布告」もまたすたれることのない言葉となります。長く付き合う言葉と思って、覚えておいてください。

" /> 実はいろんな場面で使える?「宣戦布告」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

実はいろんな場面で使える?「宣戦布告」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「宣戦布告」について解説する。「宣戦布告」は知名度の高い四字熟語です。資料で、メディア作品でと至る所で見かけるから、意味合いの割には小学生でも知ってる場合があるな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「宣戦布告」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「宣戦布告」の意味とは?

image by iStockphoto

「宣戦布告」の意味は以下のとおりです。

外交手段として軍事力を行使することの表明。戦争へ突入すること、その意志があることの宣言。

出典:「宣戦布告 意味」

簡単に言うと、決意表明や宣言のことです。しかもただの宣言ではなく、これから「戦いを開始する」という宣言になります。宣言・決意表明とは言いますが中でも対象は戦う相手、つまり敵側に限定されている言葉です。味方に対して「これから戦いを始めます」と知らせることは「宣戦布告」と言う言い方はしません。

主に国同士の戦争や民族同士の紛争など、比較的大規模な争いに対して使われることが多いですが、1対1の戦いであっても「宣戦布告」は使えます。人数の多さや戦いの規模によって使えたり使えなかったりということはありません。

「宣戦布告」ってどう読むの?

「宣戦布告」の読み方は「せんせんふこく」です。予備知識なしでは一瞬戸惑うかもしれませんが、分解していくとそれほど難しくないことが分かるでしょう。「宣(せん)」は「宣伝(せんでん)」「宣教師(せんきょうし))」などの「宣」であり、「広く知らせる/はっきり言う」という意味です。つまり、「宣戦」で「戦うことをはっきりと表明する」という意味になります。

「布告(ふこく)」も広めるという意味がありますが、「宣戦」と異なるのは「戦うこと」というニュアンスが消え、代わりに「公式に」というニュアンスが加わることです。総合して「宣戦布告」で、戦う意思を公式にはっきりと表明するという意味になります。

「宣戦布告」ってどう使うの?

「宣戦布告」は以下のように使用します。

\次のページで「「宣戦布告」ってどの場面で使えば良いの?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: