端的に言えば「酌み交わす」の意味は「親しく一緒に酒を呑む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗を呼んです。一緒に「酌み交わす」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/梨子なしこ太朗吉
本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。
「酌み交わす」の意味は?
「酌み交わす」には、次のような意味があります。
互いに杯をやり取りしながら酒を飲む。
出典:goo辞書
「酌み交わす」は、酒を飲む行為ですが、「互いに杯をやり取りしながら」ですので、二人以上で酒をお互いに注いだり、注いでもらったりしながら親しく呑む、というものです。
「酌み交わす」の語源は?
次に「酌み交わす」の語源を確認しておきましょう。
まず「酌む」(くむ)は、「汲む」(くむ)と同じで、水などの液体を柄杓(ひしゃく)や桶(おけ)などの用具を使ってすくい取る行為で、特に酒の場合に、「酌む」という文字を使います。
同じ「酌」の字を使う「酌(しゃく)をする」という言葉がありますが、お酒を「酌(く)む」(実際には、酌んでから酒をおちょこなどの器に注ぐまでを「酌をする」と言っています)ことと同じ意味です。
そして、「交わす」ですが、これは、こちらの動きと向こうの動きが交わったり、交互に起こったりする様子を示していますから、「酌み交わす」は、酒を交互に注いだり注がれたりすること、となります。
状況としては、敵と味方の間で酒をともに呑む場合もあるでしょうが、「交互に注いだり注がれたり」という状態からみて、「酌み交わす」は、仲がよい者たちの間で、または、これから仲よくなるために、一緒に酒を呑む、という状況を指すのが普通です。
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