どうして雲は白いの?「ミー散乱」について理系学生ライターがわかりやすく解説!
白い雲
晴れた日、空に浮かぶ雲は白く見えますよね。ですが、雲を構成している水滴や小さな氷の主成分は水であり、本来は無色透明です。では、なぜ雲は白いのでしょうか?この現象はミー散乱によって説明できますよ。雲に含まれる水滴や氷の粒径は10μm程度であり、可視光線の領域であれば、粒子径パラメータαの値はおよそ1となります。つまり、雲の中の水滴や氷に可視光線が入射すると、ミー散乱が生じるのです。
太陽光には、可視光線のうち、赤、橙、黄、緑、青、紫のすべての成分が含まれています。また、雲粒の粒子は比較的大きく、ミー散乱の波長依存性が小さくなるので、入射した可視光線は、どの色も同じように散乱しますよね。そのため、雲が発する散乱光は、可視光線のすべての色の成分が含まれており白色に見えるのです。
生クリームの色
生クリームには、脂肪分が多く含まれています。この脂肪分の多くが、粒径1μmから100μmの脂肪球として存在していますよ。この値を用いて、可視光線の領域で粒子径パラメータαの値を計算するとおよそ1となります。このことから、生クリームに光が入射すると、ミー散乱が生じることがわかりますね。雲の場合と同様に、脂肪球は比較的大きいサイズの粒子ですから、ミー散乱の波長依存性は小さくなると考えられます。そのため、生クリームに入射した可視光線は、どの色の成分もほぼ均等に散乱するのです。これが、生クリームが白く見える理由ですよ。
ちなみに、無脂肪牛乳の場合、粒径100nm程度のタンパク質コロイドが多く含まれている状態です。このとき、ミー散乱よりもレイリー散乱のほうが優位になるので、青味がかった色に見えることがあります。乳製品の色は、脂肪球とタンパク質のコロイドのどちらが多く含まれているかを考えれば、見当がつくのですね。
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ミー散乱の理論を応用した科学技術
最後に、ミー散乱の理論を応用したことで発明された技術について説明します。1つ目はがんの検査です。人間の細胞に光を入射した際に生じる散乱光を調べて、健全な細胞であるか、がん細胞であるかを判断します。
2つ目は写真に示した八木アンテナです。ミー散乱の理論の基に、小型で指向性の高いアンテナとして開発されました。八木アンテナは、地上デジタル放送受信に使用されており、テレビを設置している世帯の屋根に多く設置されていますよ。
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