
端的に言えば「隔靴掻痒」の意味は「もどかしい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「隔靴掻痒」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく
現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。
「隔靴掻痒」の意味は?
まずは、国語辞典の定義から。「隔靴掻痒」には、次のような意味があります。
思いどおりにいかなくて、もどかしいこと。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「隔靴掻痒」
「隔靴掻痒」は、靴の上からかゆいところをかくというのが本来の意味です。もちろん、靴の上からかいたのでは、かゆいところに手が届くはずもありません。
つまり、かゆいところがあってかこうとしているのに、それがかなわずにいる。それって、とてももどかしくていらいらしてきませんか?
実は、この「隔靴掻痒」という四字熟語が表すのもまさにそういった意味なのです。つまり、思い通りにならずに不満が募る様子をこの四字熟語は表しています。
「隔靴掻痒」の由来・出典は?
次に「隔靴掻痒」の語源を確認しておきましょう。この四字熟語は、北宋の時代の中国で書かれた「景徳伝灯録」の第二十二巻にその出典があります。
この書物の中に「隔靴掻痒」の一節が現れるのが、この四字熟語の由来です。ちなみに訓読すると「靴(くつ)を隔(へだ)てて痒(かゆ)きを掻(か)く」となります。
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