
端的に言えば、手に負えないは「自分の力ではどうにもならないこと」です。日常生活やビジネスシーンでもよく使う言葉だから知っているでしょう。しかしなぜ「手」という言葉を使用して表現するのか説明できるか。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。「手に負えない」の意味をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ
日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。
「手に負えない」の意味
まず、国語辞典で「手に負えない」の意味をチェックしましょう。
自分の力ではどうにもならない。処置に困る。手にあまる。手がつけられない。
出典:日本国語大辞典精選版「手に負えない」
「手」は、人間の手という意味以外に「仕事」「手数」「手間」などの意味を持っています。「負う」には「身に受ける」「自分で引き受ける」という意味がありますよ。「罪を負う」などといいますね。
「手に負えない」は自分の力では引き受けられない仕事、自分の身では受けられない手間、ということなので、つまり「自分の力ではどうにもならない」「処置に困る」「手にあまる」「手がつけられない」という意味です。「手を焼く」「てこずる」も「処置に困る」という意味ですよ。
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「手に負えない」の使い方
例文で「手に負えない」の使い方を見ていきましょう。
1.姉から甥っ子を半日預かってほしいと言われたが断った。甥っ子のいたずらは私の手に負えないからだ。
2.その問題はとても自分の手には負えないと知って絶望的な心境になったとき、同期の彼が自ら協力を申し出てくれたので私は救われた。
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