この記事では「百発百中」について解説する。

端的に言えば「百発百中」の意味は「予想が全て当たる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「百発百中」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に年間60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「百発百中」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「百発百中」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「百発百中」の意味は?

「百発百中」には、次のような意味があります。

1.放った矢や弾丸が必ず命中すること。
2.計画や予想がすべて当たること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「百発百中」

「百発百中」の腕前なら自慢できるのではないでしょうか。文字通り「百発百中」は、百発撃った弾や矢が全て的に当たること。的に命中する様子と同様に、予想が外れない場合にも「百発百中」が使われるようになりました。

ただし、毎回必ず予想が当たるなど不可能。素晴らしい弓の名手でも、体調を崩せば矢が外れることはありますよね。そのため「百発百中」という判断は、意外とあやふやな場合が多いです。たとえば、偶然3回連続で予想が的中したとしましょう。人によっては、自信満々に「私は百発百中だから」と豪語する方もいらっしゃいます。実際に「百発百中」の腕前を披露する必要はありません。「計画は必ず成功する」や「予想が絶対に外れない」と周囲にアピールしたい時に「百発百中」を使ってみてください。

「百発百中」の語源は?

次に「百発百中」の語源を確認しておきましょう。「百発百中」が最初に登場したのは、中国の歴史書「戦国策(西周策)」になります。楚国には当時、弓の名人である養由基(ようゆうき)がいました。養由基は、絶対に狙った的は外しません。百歩離れた場所から柳の葉を百回矢で射て、百回とも命中させたという故事が「百発百中」の由来だと言われています。

当時は戦国時代。百発百中の養由基が戦場に赴いたら、敵はひとたまりもありません。敵国は彼の出兵をくい止めるために「一回でも外したら百発百中でなくなってしまう」と説きました。要するに、今までの努力が無駄にならないように、名声を守るために出兵すべきでないと勧めたのです。こうして、養由基は病気だと偽って出兵を拒否。敵国は脅威を阻止することができたのです。

\次のページで「「百発百中」の使い方・例文」を解説!/

「百発百中」の使い方・例文

「百発百中」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ダーツなら百発百中できる自信がある。

2.彼が発射した弾丸は百発百中、五輪選手級の腕前だ。

3.彼女が立ち上げたプロジェクトは全て成功する、百発百中の実績だな。

4.友人からおすすめされるマイナー映画は、百発百中で人気がでる。

「百発百中」は、狙った的を外さない様子から、予想した通りの展開になる場合にも使われることが多いです。つまり、計画が成功すると確信した時にも「百発百中」を使うと良いでしょう。純粋に狙った的を外さないという意味なら「的中」や「命中」を使えば問題ないかもしれません。しかし、「百発百中」できるのは、過去の実績や長年の経験があってこそ。勘や運によって偶然当たったわけではないのです。「百発百中」は相手を称賛したい時や、腕に自信がある時に使うとよいでしょう。

「百発百中」の類義語は?違いは?

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では、「百発百中」の類義語や違いをみていきましょう。

「百戦百勝」

「百発百中」は予想が的中した場合に使いますが、「百戦百勝」は戦いに勝った時に使います。文字通り、意味は100回戦って100回勝つこと。必ず勝つ場合に「百戦百勝」を使います。戦国時代に生まれた四字熟語なので、負けを知らない武将を評価する時に使われていました。現代では、スポーツやビジネスで使われやすい四字熟語です。

\次のページで「「一発必中」」を解説!/

「一発必中」

「一発必中」も「百発百中」と同様に、意味は目標を必ず命中させること。大きな違いとしては、「一発必中」は一回の試みで成功した場合にも使うということです。「必中」は、必ず命中すること。初めて挑戦したにも関わらず一発で命中するわけですから、ある意味「百発百中」よりも凄いことかもしれません。一発で予想通りの結果が得られた場合に「一発必中」を使ってみてください。

「百発百中」の対義語は?

「百発百中」の意味は、矢が必ず命中すること。反対の意味となると、全く矢が当たらないことになってしまいます。さすがに、そのような寂しい四字熟語は存在しません。そこで今回は、「的に当たりにくい」といった意味合いで対義語をご紹介したいと思います。

「下手な鉄砲も数撃てば当たる」

「下手な鉄砲も数撃てば当たる」は、よく使われることわざではないでしょうか。下手でも何度も試みれば、まぐれで成功することもあるという意味になります。「百発百中」は目標を外すことはありませんが、こちらは何度も外してばかり。むしろ、乱射して偶然当たればラッキーぐらいの感覚といってよいでしょう。

いい加減のような印象を受けてしまうかもしれませんが、「下手な鉄砲も数撃てば当たる」の精神は、時には大切な考え方といえます。たとえば、就活が思い通りに進まず、なかなか内定がもらえなくて悩んでいたとしましょう。しかし、立ち止まっていても結果は変わりません。諦めずに何十社と受け続けていたら、やっと内定がもらえました。どんな形であれ、成功することは素晴らしいこと。「下手な鉄砲も数撃てば当たる」は、自分なりにチャレンジし続けることの大切さを訴えているのでないでしょうか。

「百発百中」の英訳は?

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では、「百発百中」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「never miss」

「百発百中」は「必ず命中させる」という意味ですから、「絶対にミスをしない」と言い換えることもできますね。シンプルに英訳するならば「never miss」が伝わりやすいのではないでしょうか。「never」は「一度も」や「決して」という意味。「miss」は「取り損なう」や「見逃す」といった「失敗」を表す単語となります。そのため「never miss」は「百発百中」の意味として使うことができるでしょう。「He never missed the target」と過去形にすれば「彼は百発百中外さなかった」と伝えることができますね。

「hundred times out of a hundred」

「百発百中」を直訳するならば「hundred times out of a hundred」はいかがでしょうか。「hundred times」は「百回」という意味。「out of」は「中から外へ」や「範囲外に」という意味があります。繋げることによって「百回やれば百回」ということで「百発百中で」という意味として使うことができるでしょう。

\次のページで「「百発百中」を使いこなそう」を解説!/

「百発百中」を使いこなそう

この記事では「百発百中」の意味・使い方・類語などを説明しました。語源となった弓名人の養由基は、百発百中の成績が途切れることを恐れるがあまり、出兵しなかったと言われています。すなわち、失敗するのが恐かったのでしょう。結果も大事かもしれませんが、チャレンジすることを恐れていては本末転倒です。予想が当たるのも、今までの経験があってこそ。周囲から「百発百中だ」と称賛してもらえるように、あなたの長所を極めることから始めてみてはいかがでしょうか。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「百発百中」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「百発百中」について解説する。

端的に言えば「百発百中」の意味は「予想が全て当たる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「百発百中」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に年間60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「百発百中」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「百発百中」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「百発百中」の意味は?

「百発百中」には、次のような意味があります。

1.放った矢や弾丸が必ず命中すること。
2.計画や予想がすべて当たること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「百発百中」

「百発百中」の腕前なら自慢できるのではないでしょうか。文字通り「百発百中」は、百発撃った弾や矢が全て的に当たること。的に命中する様子と同様に、予想が外れない場合にも「百発百中」が使われるようになりました。

ただし、毎回必ず予想が当たるなど不可能。素晴らしい弓の名手でも、体調を崩せば矢が外れることはありますよね。そのため「百発百中」という判断は、意外とあやふやな場合が多いです。たとえば、偶然3回連続で予想が的中したとしましょう。人によっては、自信満々に「私は百発百中だから」と豪語する方もいらっしゃいます。実際に「百発百中」の腕前を披露する必要はありません。「計画は必ず成功する」や「予想が絶対に外れない」と周囲にアピールしたい時に「百発百中」を使ってみてください。

「百発百中」の語源は?

次に「百発百中」の語源を確認しておきましょう。「百発百中」が最初に登場したのは、中国の歴史書「戦国策(西周策)」になります。楚国には当時、弓の名人である養由基(ようゆうき)がいました。養由基は、絶対に狙った的は外しません。百歩離れた場所から柳の葉を百回矢で射て、百回とも命中させたという故事が「百発百中」の由来だと言われています。

当時は戦国時代。百発百中の養由基が戦場に赴いたら、敵はひとたまりもありません。敵国は彼の出兵をくい止めるために「一回でも外したら百発百中でなくなってしまう」と説きました。要するに、今までの努力が無駄にならないように、名声を守るために出兵すべきでないと勧めたのです。こうして、養由基は病気だと偽って出兵を拒否。敵国は脅威を阻止することができたのです。

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