
好景気に沸く「バブル世代」とは?その華やかな生活を元大学教員がわかりやすく解説

バブル世代の芸能人が、この時期は海外ロケに簡単に行けたと言うのを耳にする。日本は急激に景気が良くなったので、必要以上にお金が余っていた。そこで余ったお金を海外旅行にまわしていたというわけだ。今では考えられない状況だな。
「バブル世代」は不動産購入を通じて資産を増やす

余ったお金のもうひとつの行先が不動産投資です。バブルがピークになったときの日本の地価を合計すると、アメリカのそれの4倍になったという試算があるほど。バブル世代は、どんどん値上がりする地価に目を付けて、土地を購入するようになりました。
地価は永久に上がり続けると信じた
もちろんバブル世代は、住むために土地を買ったのではありません。現在、家賃収入を得るために不動産投資をする人が多いでしょう。この時期は、地価があがったときに売却して利益を得るキャリタルゲインを重視していました。
とくに地価があがったのが都心です。上昇率が7割を超える異常な状態となりました。不動産投資が活発になるなか、マンションの建設ラッシュがおこります。ただ、あまりにも土地が高騰したことで、公共事業がすすめられなくなる事態も発生しました。
ビルを購入して家賃収入生活をする人も
土地の売買が落ち着いてくると、今度はビルを購入してオフィスとして貸し出し、家賃収入を得るケースも増えてきます。もちろん今でも、そのような投資方法は一般的。ただ、バブル世代の場合は、将来の給与アップを見越して、あらゆる人が投資に介入したことが特徴的です。
バブル景気にわく日本では、永遠に地価があがり、さらに収入もアップすると信じられていました。そのため一般の自営業者やサラリーマン家庭でも高額投資に参入するケースが増加。そうした人たちが、将来の成長を見越してビルを所有するようになります。

土地はいろいろな利権が絡んでいる。とくに地価の値上がりが激しかった都心では、大規模開発のための土地を獲得するために「地上げ屋」が暗躍した。地上げ屋は強引なやり方によって土地をとりあげる人たち。地上げにあって資産を失った人もいたようだ。
ディスコで夜な夜な踊りあかす「バブル世代」

バブル世代と聞いたときに、多くの人が思い浮かべるのがディスコで踊り狂う若者たちでしょう。バブル景気にわく日本では、芝浦にあった「ジュリアナ東京」をはじめ、何千もの人を収容できるディスコがたくさん登場しました。
お立ち台は「バブル世代」のトップが踊るステージ
ディスコデビューをする時期は大学生。ジュリアナ東京があった芝浦のほか、六本木、青山、麻布十番などに有名ディスコが登場。そのエリアに若者たちがあつまりました。ボディコンと呼ばれる体のラインを強調する服を着た若い女性たちがディスコを彩りました。
女性たちのなかの主役を張る人たちは「お立ち台」と呼ばれるステージで、男性たちを誘うようなセクシーな踊りを披露。「お立ち台の女王」「ディスコの女王」と呼ばれるカリスマ女性も登場しました。
男女の出会いの場でもあったディスコ
バブル世代にとってディスコは男女の出会いの場でもありました。ディスコの周辺はいわゆる「ナンパスポット」。出会いを求める男女が集まる場所となります。高級車にのった男性が目当ての女性に声をかける姿が日常的に見られました。
ディスコにあつまる女性が重視するのは男性の収入。収入が多い男性ほどモテる傾向がありました。高級ブランドの洋服に身を包み、高級外車にのって好みの女性をさがす男性も。親世代としては心配になるような雰囲気がある場所でもありました。
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