1つでも[紫]の遺伝子をもっていると、その子どもの花の色は紫になります。一方、花の色を白にするには2つの遺伝子両方が[白]の遺伝子でなくてはいけません。
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このとき、紫色にする遺伝子を優性(もしくは顕性)、白色にする遺伝子を劣性(もしくは潜性)である、と表現します。そして、「優性の遺伝子のみ」「劣性の遺伝子のみ」をもった系統を純系と呼ぶのです。
純系ではない個体、いわゆる雑種のものは、複数種類の遺伝子が混ざってしまっています。これを実験に使うと結果にばらつきが生じるため、遺伝の法則を研究するには遺伝子が「整っている」純系を使うことが重要なのです。
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純系をつくるには自家受粉を何代も繰り返し、その中からよい個体を選抜していく作業が必要です。メンデルが何年にもわたってこの実験を手掛けたのも必然だったといえるでしょう。
忘れられたメンデル
1865年にメンデルは自分の研究成果を発表します。ところが、ほかの科学者にほとんど注目されなかったのです。生物の遺伝という不思議な現象を解明する重要な手掛かりの一つだったにもかかわらず、“メンデルの法則”は忘れ去られていきます。
死後数十年がたった1900年。メンデルの法則が世界の3人の科学者に改めて見いだされ、遺伝の謎が急速に解明されていくのですが…これはまた別の機会にお話ししましょう。



