
「精進潔斎」
「精進潔斎」は、上記の「斎戒沐浴」と意味が似ており、こちらも、神聖なできごとの前に心身を清める、という意味です。「精進」「潔斎」ともに、心身を清めるという意味の熟語で、2つを重ねることでより意味を強めています。
「六根清浄」とも意味の近い四字熟語ですが、やはりこちらも、これから心身を清める段階であり、心身が清められた状態の「六根清浄」とは、使うタイミングとして細かな違いがあるのがポイントです。
「六根清浄」の対義語は?
「六根清浄」の対義語について、意味などの観点から色々調べてみましたが、「これだ!」という言葉は見つけられませんでした。それぐらい「六根清浄」は特別な意味を持つ四字熟語なのだと思います。
「purification of the six roots of perception」
「purification of〜」は、〜の浄化、「the six roots of perception」は、6つの知覚の根、と訳すことができ、合わせて「6つの知覚の根の浄化」となります。「六根清浄」の特徴をしっかりと掴んだ英訳ですね。
ただし、この英訳ですと、6つの知覚がわかりません。「the eye, the ear, the tongue, the nose, the body, and the mind」が6つの知覚の細かい内容になるので、必要に応じて付け足すことで、意味を補足すると良いでしょう。
「六根清浄」を使いこなそう
「六根清浄」についていろんな視点から見てみました。すべての感覚を清らかなものにすることが、悟りの境地へと繋がるのだという教えから来た「六根清浄」。日本には多くの霊山がありますが、修行のため、これらの山を登る人たちの心だけでなく体の支えにもなった言葉です。
個人的には、「どっこいしょ」の語源になった言葉かもしれない、という説がとても驚きでした。このように、私たちが気づかないだけで身近に使っている言葉にも、仏語が語源となったものが多くあるのかもしれませんね。感覚が鈍っていると、こういった発見にもなかなか気づいていけないものです。「六根清浄」、澄んで清らかな感覚を常に持ち続けられる人でいたいと感じる四字熟語でした。