
我々には政党はいらない
ジョージ・ワシントンが大統領に就任したときに発した有名な発言が「我々には政党はいらない。なぜなら、我々は全て共和主義者だからだ」というもの。アメリカは最初、政党があると国が分裂するため、それはひとつでいいという考えでした。ただ実際は、共和党と民主党が競い合う二大政党制に移行していきました。
大統領を辞任したあとの「ジョージ・ワシントン」
By Junius Brutus Stearns – http://presidentgeorgewashington.wordpress.com/page/11/, Public Domain, Link
大統領を辞任したあとのジョージ・ワシントンの生活はひっそりとしたもの。表舞台に立つことはほとんどありませんでした。
故郷の農園で静かに過ごす
1797年に大統領職を辞任したワシントンは、自身の農場を経営しながら過ごしました。蒸留所をつくり、ウィスキーやブランデーなどの製造にも取り組みます。
フランスとのあいだで緊張が走った時期、アメリカ陸軍の最高司令官に指名されるものの体調が悪く辞退。1799年に病状が悪化し、67歳で亡くなりました。
死去したのちは退役軍人名簿に記載
ワシントンが死去したあと、アメリカ陸軍はワシントンの名前を退役名簿に掲載します。さらに、アメリカ合衆国建国200周年を迎えたとき、ジョージ・ワシントンは軍の最高階級である陸軍大元帥の称号も送られました。ワシントンは、政治家としてだけではなく軍人としても称えられる存在となりました。
「ジョージ・ワシントン」は合衆国建国の父として神話化された
ジョージ・ワシントンは、アメリカ紙幣の顔であり、首都ワシントンD.C.の由来でもあります。アメリカ海軍には、ワシントンの名前を冠した艦艇が多数存在。彼の名前は、アメリカが分裂の危機に陥ったとき、それをまとめるシンボルとして、今でも大きな影響力を持っています。歴史上の人物は、とくに古い時代の人ほど、後世にて意味づけされているもの。それを踏まえて、その歴史を知ろうとする姿勢が大切です。