
ネイティブ・アメリカン排除に容赦なかった「ジョージ・ワシントン」
By Wood engraving by Alfred Bobbett, ca. 1824-1888 or 9, engraver, based on painting by Felix Octavius Carr Darley, 1822-1888. – This image is available from the United States Library of Congress‘s Prints and Photographs division under the digital ID cph.3c20704. This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing for more information., Public Domain, Link
ジョージ・ワシントンは、ネイティブ・アメリカンを徹底的に排除する姿勢を崩しませんでした。彼が軍隊に関わってから、大領領になり政界を引退するまで、継続的に先住民を排除していきます。
インディアンを獰猛な部族と見なす
ジョージ・ワシントンのインディアンに対する厳しい態度の原因はフレンチ・インディアン戦争にあります。この戦争では、イギリス軍とフランス軍が直接に戦うのではなく、それぞれが先住民を兵士として従軍させて代理戦争をしていました。
そのときに先住民が戦う姿を見て、ワシントンは「インディアンは獰猛な部族」という印象を強めます。そのため独立戦争でも、先住民を従軍させながら、従わない部族は迷うことなく排除したり虐殺したりしました。
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インディアン地位向上運動では批判対象のシンボル
ジョージ・ワシントンは、「建国の父」として称えられていますが、インディアン地位向上運動の文脈のなかでは正反対です。ワシントンは、アメリカの歴史のなかで、英雄として美化されているに過ぎないと批判されました。
ワシントンら歴代大統領の「顔」が彫られたラシュモア山は合衆国のシンボル。インディアンの土地の占有について抗議するために、その頂上で抗議活動が行われることもありました。インディアンの立場からすると、ワシントンは侵略者に他ならないのです。
「ジョージ・ワシントン」の名言・格言

ジョージ・ワシントンは、名言や格言を数多く残しています。彼は軍人、政治家である以上に、思想家としての顔も持っていました。ワシントンの言葉は、政治、生活、人間関係、生き方など、私たちの現代の生活にも活かされるものです。
正直は、 常に最上の政策である
アメリカ合衆国は歴史的には短い国。その最初の大統領に就任することは、国のスタート地点に立つことと同じです。政策を打ち出すにもモデルがありません。正直な心を持って政策をうちだせば、それが最も良いものであるだろう。そんなワシントンの実直さを感じさせる言葉です。
自由はひとたび根付きはじめると 急速に成長する植物である
自由とは、アメリカ合衆国の歴史のなかで無視できない重要な言葉。なぜなら合衆国は、長らく本国イギリスの支配下にあり、自由ではなかったからです。また、メイフラワー号にのってアメリカ大陸に来たピューリタンは、本国における宗教的迫害から逃れてきたという経緯が。独立戦争の勝利により自由がぐんぐん成長するだろうという期待をあらわしています。
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