
当時の発言が偉人の名言として紹介されることも多い人気の政治家ジョージ・ワシントン。彼が残した多くの功績やその後の評価を、世界史に詳しいライターひこすけと一緒に解説していきます。
- ジョージ・ワシントンとは?
- バージニア植民地の地主の息子として生まれる
- ワソントン家の家業は黒人奴隷農場の経営
- 軍隊の指導者として頭角をあらわす「ジョージ・ワシントン」
- フレンチ・インディアン戦争ではイギリス軍に参加
- 独立戦争では大陸会議により司令官に任命
- 初代大統領に選出された「ジョージ・ワシントン」
- 蒸留酒に消費税を課したことで暴動が勃発
- イギリスとの関係性の向上に努める
- 「ジョージ・ワシントン」の黒人奴隷に対する立場
- 保有していた黒人奴隷農場は妻の資産
- 合衆国の分裂の原因になると解放を望む
- ネイティブ・アメリカン排除に容赦なかった「ジョージ・ワシントン」
- インディアンを獰猛な部族と見なす
- インディアン地位向上運動では批判対象のシンボル
- 「ジョージ・ワシントン」の名言・格言
- 正直は、 常に最上の政策である
- 自由はひとたび根付きはじめると 急速に成長する植物である
- 我々には政党はいらない
- 大統領を辞任したあとの「ジョージ・ワシントン」
- 故郷の農園で静かに過ごす
- 死去したのちは退役軍人名簿に記載
- 「ジョージ・ワシントン」は合衆国建国の父として神話化された
この記事の目次

ライター/ひこすけ
文化系の授業を担当していた元大学教員。専門はアメリカ史・文化史。「ジョージ・ワシントン」は、アメリカ独立戦争で活躍した人物。合衆国の初代大統領として歴史に名を残した。彼は、黒人農場主であり、インディアンを排除するための戦いにも関わっていることから、後世の評価は分かれる。そこで「ジョージ・ワシントン」に関連するできごとをまとめてみた。
ジョージ・ワシントンとは?

ジョージ・ワシントンは18世紀に活躍したアメリカ合衆国の初代大統領。政治家だけではなく、軍人、黒人奴隷農場主としの顔も持っています。合衆国の首都であるワシントンD.C.の名前の由来にもなりました。
バージニア植民地の地主の息子として生まれる
ジョージ・ワシントンが生まれたのは1732年2月22日。バージニア植民地になるウェストモアランド郡が彼の故郷です。ワシントンの父親はオーガスティン・ワシントン、妻はメアリー・ボールで2番目の妻でした。ともにイギリス出身です。
ワシントンの父親は、彼が11歳の時に死去。そのため、14歳年上であった長男のローレンス・ワシントンが家長としての役目を果たしました。父の遺産の多くを相続したのは長男でしたが、ワシントンも一部の農場を相続します。
ワソントン家の家業は黒人奴隷農場の経営
ワシントン家は、バージニア州にて黒人奴隷農場を経営していました。鉱山の開発にもかかわりますが、地元の富豪になるまでには至りませんでした。
ジョージ・ワシントンは父のプランテーションの一部を相続し、農場主としての経験を積んでいきました。そのためワシントンは若いころから黒人奴隷に囲まれた生活をしており、それが彼の奴隷制度に対する考え方を作り上げていきます。
軍隊の指導者として頭角をあらわす「ジョージ・ワシントン」
By Reǵnier – This image is available from the United States Library of Congress‘s Prints and Photographs division under the digital ID http://www.loc.gov/pictures/item/2003677702/. This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing for more information., Public Domain, Link
ジョージ・ワシントンが当時のアメリカ大陸のイギリス植民地で頭角をあらわすのは軍人としてでした。彼が参加した戦いは、フレンチ・インディアン戦争とアメリカ独立戦争。ワシントンは戦争の英雄となり、社会的地位を向上させていきます。
フレンチ・インディアン戦争ではイギリス軍に参加
フレンチ・インディアン戦争とは、北アメリカで勃発した一連の戦いのことを指します。アメリカ植民地のイギリス領とフランス領が、それぞれの国の援助をうけて戦いました。イギリス軍は苦戦を強いられるものの、最終的にフランスに勝利します。
ジョージ・ワシントンは、オハイオ領土をフランスから取り戻すためにイギリス軍に参加。撤退に成功させたと伝えられています。フレンチ・インディアン戦争におけるワシントンの活躍は、言い伝えによるところも多く、事実は明確には分かりません。
独立戦争では大陸会議により司令官に任命
1775年から1783年のあいだ、イギリス本国とイギリス領であった13の植民地が繰り広げたのが独立戦争です。イギリス本国が植民地に対して課税を強化。それに反発したことをきっかけに、本国から独立する気運が高まりました。
13のイギリス領であった植民地は本国から独立することに成功します。この戦いで軍隊を率いたのがジョージ・ワシントンは、アメリカ独立の父として語り継がれるようになりました。
\次のページで「初代大統領に選出された「ジョージ・ワシントン」」を解説!/