「歯牙にもかけない」は字面からすると、獣が相手のことを敵とも獲物ともみなさないってことでしょう。この状況を比喩して『誰かを相手にしない』ことを表現した言葉だって俺は理解している。しかしちょっとニュアンスに怪しいところがあるんですね。
今回は、ちまちまとした小言ばかり言うもんだから、周りから「歯牙にもかけられていない」ライターのぷーやんを呼んです。「歯牙にもかけない」の意味と使われ方について、説明してもらう。
- 「歯牙にもかけない」の意味って?
- 「歯牙にもかけない」を辞書でみてみよう!
- 「歯牙にもかけない」の使い方を例文でみてみよう
- 「歯牙にもかけない」の類義語2選!
- 眼中にない:気にかけない
- 顧みない:ある対象について考えない
- 「歯牙にもかけない」の対義語はなにがある?
- 主眼を置く:大切なこととして扱う
- 頓着(とんじゃく)する:深く気にかけること
- 「歯牙にもかけない」の英語訳は?
- take no notice
- disregard
- 実は気になって仕方ない?「歯牙にもかけない」ふりをする人
- 無視する人の心理3選!
- 過ぎた「歯牙にもかけない」はパーソナリティ障害の可能性も!
- パーソナリティ障害との付き合い方
- 「歯牙にもかけない」理由を見極めよう!
この記事の目次
ライター/ぷーやん
webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。誰も気にしないような、細かいことが気になりやすい質。
「歯牙にもかけない」を辞書でみてみよう!
まずは辞書で「歯牙にもかけない」を引いてみます。
問題にしない。無視して相手にしない。「世間のうわさなんか―◦ない」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「歯牙にもかけない」
『無視する』『相手にしない』ということを意味するのは、桜木先生の仰る通りでしたね。微妙な1つのポイントとしては、『問題にしない』ということでしょう。行動として表面上は無視していても、実は内心で気になっていたとすれば、「歯牙にもかけない」状態とは言えないように思います。
「歯牙にもかけない」の使い方を例文でみてみよう
辞書で意味を調べたら、次は例文で言葉の使い方を押さえていきます。
1.あれだけいろいろな男から熱烈にアプローチをかけられているのに、彼女はまったく「歯牙にもかけない」。
2.あいつはただ文句を言いたいだけだから、なにか指摘されても「歯牙にもかけない」のが適切な対応だ。
3.私の目標とするものはもっとスケールの大きなところにあるから、瑣末なアクシデントなど「歯牙にもかけない」。
例文1は…男性視点からすると悲しいですね。しかし相手にされないと感じたら素直に身を引くのが、大人の男なのかもしれません。例文2のような、とにかくなにか小言を言わなければ気がすまない人は、おそらくどこにでもいるのではないでしょうか。自分の価値観を押し付けないように、気をつけたいものですね。
例文3のように大きな目標に邁進することを忘れなければ、些細なことには寛容になれるものです。
眼中にない:気にかけない
いわずもがなかもしれませんが、物理的に視界に入らないということではありません。視界にあってもその情報が脳内で処理されないほどに、どうでもいいものとして認識されないことを意味します。
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顧みない:ある対象について考えない
「顧みる」は「過去を振り返る」という意味も持つ言葉です。したがって「顧みない」は「過去に捉われない」ことを暗に示しつつ、「気にかけない/考えない」となり、「歯牙にもかけない」と似た言葉と言えます。なお、「振り返って反省する」ことを意味する「省みない」と混同しないようにご注意を。
「歯牙にもかけない」の対義語はなにがある?
次に「歯牙にもかけない」の対義語を2つご紹介します。
主眼を置く:大切なこととして扱う
「主眼」は「肝心なポイント」という意味。「歯牙にもかけない」は無価値とみなすことですので、重要事項と捉える「主眼を置く」はわかりやすい対義語と言えるでしょう。
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