この記事では「大胆不敵(だいたんふてき)」について解説する。

端的に言えば「大胆不敵」の意味は「恐れ知らず」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「大胆不敵」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく

現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

#1 「大胆不敵」の意味や使い方のまとめ

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それでは早速「大胆不敵」の意味や使い方を見ていきましょう。

「大胆不敵」の意味は?

「大胆不敵」には、次のような意味があります。

大胆で何物をも恐れない・こと(さま)。

出典:大辞林 第三版(三省堂)「大胆不敵」

「大胆不敵」の意味を「大胆」と「不敵」に分けて考えてみましょう。「大胆」の「胆」は、勇気を表すことばです。

それが「大きい」わけですから、とても勇気がある様子を表しているといえます。では、もう一つの「不敵」はいったいどういう意味なのでしょうか。

こちらは、敵を敵とも思わない様子を表す言葉です。似たような熟語に「無敵」というものがありますが、意味合いはまったく異なります。

これら「大胆」と「不敵」の二つを合わせると、非常に勇気があり敵を敵とも思わない心の強さがある様子が浮かんでくるはずです。もちろん、そのような人は、超の付くポジティブ思考の持ち主に違いありません。

「大胆不敵」の使い方・例文

「大胆不敵」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「大胆不敵」の類義語は?違いは?」を解説!/

彼は大胆不敵にも、ノーガードで相手ボクサーのパンチが届く間合いへと踏み込んでいった。

ツーアウト満塁のピンチにもまったく物怖じしない様子は、まさに大胆不敵という表現がぴったりだ。

大胆不敵といえば、日本語が話せないのに単身で中国からチームに参加した彼女のことを思い出す。

「大胆不敵」の意味をきちんと理解するには、「何を恐れていないのか」をしっかりつかむことが大切です。ひとつめの例文では、ガードを固めないと相手ボクサーのパンチをもらいやすくなるのに、それを恐れていません。

また、二つめの文では、満塁というピンチにもかかわらず、ピッチャーがまったく萎縮していない様子がうかがえます。最後の例文の場合は、日本語が話せないとチームにうまく溶け込めない可能性があるのに、それを恐れている様子がない点です。

このように普通の人ならばネガティブに考えてしまいそうなシーンでも、まったくそういった素振りを見せない人を「大胆不敵」と形容します。

#2 「大胆不敵」の類義語は?違いは?

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ところで、「大胆不敵」の類義語にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的なものを二つほど紹介していきます。

「明目張胆」

「明目張胆(めいもくちょうたん)」は、「大胆不敵」の類義語といえるものです。この四字熟語は、目をしっかり見開き勇気を出して立ち向かっていく様子を表しています。

「明目」とは、しっかりと目を見開いて見ることです。もう一方の「張胆」は、思い切って立ち向かうことを意味します。

日本語にも「気を張る」「気張る」という表現がありますが、それに近いものだと考えていいでしょう。

「豪胆無比」

「豪胆無比(ごうたんむひ)」もまた、「大胆不敵」の類義語だといって差し支えないものです。こちらの熟語は、度胸が他人と比べ物にならないほど大きいという意味合いを持ちます。

前半の「豪胆」は「大胆」と同様に勇気がある様子だと考えてください。後半の「無比」は、比べようもないくらい優っている様子を表しています。

「強力無比」や「痛快無比」などの言葉で見かけたこともあるのではないでしょうか。では、これらの類義語を用いた例文をいっしょに見ていきましょう。

\次のページで「「大胆不敵」の対義語は?」を解説!/

自分よりも一回りも大きな相手にもかかわらず、彼は明目張胆にもけっして臆することなく立ちふさがった。

彼が豪胆無比にもヒグマに立ち向かっていく様子は、とても常人には真似のできないものだ。

#3 「大胆不敵」の対義語は?

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では、ここで「大胆不敵」の対義語についても押さえておきましょう。こちらも、代表的なものを二つご紹介します。

「小心翼々」

「小心翼々(しょうしんよくよく)」は、「大胆不敵」の対義語の中でも代表的な存在です。この四字熟語は、小心者がいつもびくびくと怯えている様子を意味しています。

「小心」はともかくとして、「翼々」はどういった意味を持っているのでしょうか。こちらは、親鳥がひな鳥を翼でかばう様子が語源だとされています。

そのことから遠慮がちな様子を表すようになり、さらには現在の気が小さいという意味につながっているようです。

「戦々恐々」

「戦々恐々(せんせんきょうきょう)」もまた、「大胆不敵」の対義語だといえるものです。こちらの四字熟語は、恐怖で体が震えている様子を表しています。

前半部をしめる「戦々」の意味は、恐怖におののく様子です。後半部の「恐々」は、恐れて慎んでいるという意味合いがあります。

では、これらを用いた例文もチェックしておきましょう。

始まる前からそんなに小心翼々としていたのでは、勝てる試合も勝てなくなってしまいますよ。

生徒たちはみんな、いついたずらがばれて担任の先生に叱られるかと戦々恐々たる思いだった。

#4 「大胆不敵」の英訳は?

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最後に「大胆不敵」の英語訳について見ていくことにしましょう。

\次のページで「「daring」」を解説!/

「daring」

「daring」は、「大胆不敵」の英訳としてもっとも一般的なもののひとつです。この英単語は、名詞としても形容詞としても使えます。

また、良い意味にも悪い意味にも使えますので、使う際には注意が必要です。

「in-your-face」

「in-your-face」もまた、「大胆不敵」の英訳として十分に通用するものです。こちらは、「大胆不敵」のほかにも「挑戦的な」「けんか腰の」と訳されることもあります。

また、主にイギリス英語で用いられる表現であることにも注意を払っておいた方がよいでしょう。

Your daring will helped them a lot.
君の大胆不敵さが、彼らには大いなる助けとなるだろう。

They have taken the in-your-face approach.
彼らは、大胆不敵な方法をとってきたものだな。

「大胆不敵」を使いこなそう

この記事では「大胆不敵」の意味・使い方・類語などを説明しました。この四字熟語の意味は、恐れ知らずでしたね。

私たちは、ともすれば失敗を恐れるあまり何事にも慎重になり過ぎてしまう場合があります。そういうときは逆転の発想で大胆不敵に物事を進めた方が良い結果を生むケースもしばしばです。

みなさんも、この四字熟語を使えそうな場面に出くわしたら、臆せずにどんどん使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「大胆不敵」の意味や使い方は?例文や類語も含めて現役文系講師が詳しくわかりやすく解説!

この記事では「大胆不敵(だいたんふてき)」について解説する。

端的に言えば「大胆不敵」の意味は「恐れ知らず」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「大胆不敵」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく

現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。

#1 「大胆不敵」の意味や使い方のまとめ

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それでは早速「大胆不敵」の意味や使い方を見ていきましょう。

「大胆不敵」の意味は?

「大胆不敵」には、次のような意味があります。

大胆で何物をも恐れない・こと(さま)。

出典:大辞林 第三版(三省堂)「大胆不敵」

「大胆不敵」の意味を「大胆」と「不敵」に分けて考えてみましょう。「大胆」の「胆」は、勇気を表すことばです。

それが「大きい」わけですから、とても勇気がある様子を表しているといえます。では、もう一つの「不敵」はいったいどういう意味なのでしょうか。

こちらは、敵を敵とも思わない様子を表す言葉です。似たような熟語に「無敵」というものがありますが、意味合いはまったく異なります。

これら「大胆」と「不敵」の二つを合わせると、非常に勇気があり敵を敵とも思わない心の強さがある様子が浮かんでくるはずです。もちろん、そのような人は、超の付くポジティブ思考の持ち主に違いありません。

「大胆不敵」の使い方・例文

「大胆不敵」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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