この記事では「気炎万丈」について解説する。

端的に言えば気炎万丈の意味は「ほかを圧倒するほど意気込みが盛んなこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「気炎万丈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「気炎万丈」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「気炎万丈」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「きえんばんじょう」で、「炎」の字を「焔(えん)」として「気焔万丈」と書くこともありますよ。

「気炎万丈」の意味は?

「気炎万丈」には、次のような意味があります。漢字に特徴のある四字熟語ですが、意味を正確につかめるよう詳しく見ていきましょう。

1.意気込みが他を圧倒するほど盛んであること。多くは意気盛んな談論についていう。

出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)

基本の意味は「意気込みが盛んであること」ですが、これからますます意気込みが盛んになっていくようすを表すこともあります。なお、どれぐらい盛んであるかというと、「他を圧倒するほど」という説明の通り、非常に盛んであるようすがわかりますね。

また、談論している場面など、議論しているようすや意見を戦わせているような場面で使われることが多くなっています。

「気炎万丈」の語源は?

次に「気炎万丈」の語源を確認しておきましょう。「気炎万丈」の漢字を丁寧にチェックしていくと、語源がわかってきますよ。

「気炎」は炎が燃え上がるように行きが盛んであること、「丈」は長さを表すので「万丈」とすると大変長いことや大変高いことを表します。炎が燃え上がって、その火柱が大変高くなっているようすに由来していますよ。意気盛んなようすを火柱に例えて、盛んさが際立っていることが伝わる表現です。

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「気炎万丈」の使い方・例文

「気炎万丈」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。意味がわかったところで実際の使われ方をチェックしておくことで理解が深まりますよ。

1.血気盛んな若者たちが気炎万丈の気勢を上げていたが、その事実の背景がわかると静かになった。
2.政界を揺るがす大事件を発端に、日本の未来について白熱した気焔万丈の議論が続いた。

意味としては、例文1.では勢いづく元気な若者たちのようすを表現しており、例文2.のほうは議論が熱くなるさまが伝わる表現となっていますね。高く燃え上がる気炎をイメージさせるものがあります。また、議論について使われることが多いということで、2.のほうは議論に関する例文です。

使い方としては、「気炎万丈の…」や「気炎万丈だ」「気炎万丈で」とすることが多くなっています。「気炎万丈する」という動詞化した表現はすることはありません。

「気炎万丈」の類義語は?違いは?

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それでは、「気炎万丈」の類義語についての説明です。類義語ではあっても、それぞれに特徴のある表現なので、ニュアンスも含めて詳しく見ていきましょう。

「意気軒昂」

「気炎万丈」の類義語には、「意気軒昂(いきけんこう)」があります。「意気軒高」と書くこともありますよ。意味は「大いに元気で、盛んに奮い立つこと」です。「意気」はあふれ出る元気のこと、「軒昂」は「軒」が「のき」のことなので高さが高いことを表しています。

使い方としては、「意気軒昂として…」や「意気軒昂の…」「意気軒昂である」などとすることが多くなっていますよ。

\次のページで「「高談雄弁」」を解説!/

「高談雄弁」

もう一つの類義語に、「高談雄弁(こうだんゆうべん)」があります。意味のほうは、大いに談論することや盛んに議論することなどです。「高談」は意気盛んな談論のこと、「雄弁」は力強くよどみなくしゃべることを表していますよ。

「気炎万丈」は談論するときに使われることが多いということで、談論や議論に関して熱が入っているようすを表す「高談雄弁」は類義語と言えます。名詞として使うほか、「高談雄弁する」と動詞として使うこともありますよ。

「気炎万丈」の対義語は?

次は、「気炎万丈」の対義語についての説明です。二つの対義語を見ていきながら、その違いやニュアンスをチェックしていきましょう。

「意気消沈」

「気炎万丈」の対義語には、「意気消沈(いきしょうちん)」があります。元気をなくしたり、意気込みが衰えることという意味です。「意気」は気持ちや気概のこと、「消沈」は気力などが衰えることを表しています。

モチベーションが最高潮の「気炎万丈」に対して、ちょうど反対の意味になっていますよ。また、名詞として使うほか、「意気消沈する」というように動詞化した表現でもよく使われます。

「不承不承」

もう一つの対義語は、「不承不承(ふしょうぶしょう)」という四字熟語です。「不請不請」とも書くことがあります。意味は、嫌々ながらやむを得ず物事を受け入れることです。「不承」は嫌々ながら引き受けるということで、これを重ねて意味を強めています。

使い方の例としては、「不承不承仕事を引き受ける」「不承不承に席を立った」などがありますよ。その気にはなっていないながら、受け入れて行動はとっているという意味合いです。

「気炎万丈」の英訳は?

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最後に「気炎万丈」の英訳についての説明です。英訳において、漢字それぞれのニュアンスを含めたものはなかなかありませんが、意味としては十分に伝わる表現はありますよ。

「in high spirits」

「気炎万丈」の英訳には、「in high spirits」があります。直訳すると「高い精神状態で」です。なお、「意気込みが他を圧倒するほど盛んである」ということを考慮すると「in great sprits」のほうがピッタリかもしれませんね。

その他、「in high glee」として「大喜びで、上機嫌で」という表現もありますが、「in high spirits」が一般的にはよく使われる表現です。

\次のページで「「気炎万丈」を使いこなそう」を解説!/

「気炎万丈」を使いこなそう

今回の記事では「気炎万丈」の意味・使い方・類語などを説明しました。

燃えさかる炎が高々と火柱のように見えるようすを表しているので、意気込みの強さが際立っていることが伝わる四字熟語です。強い意気込みを持って何をしたかまでは「気炎万丈」の意味に含まれておらず、意気込みが特別強いようすまでを表しています。

類義語や対義語では、それぞれにニュアンスが違うので、その状況やケースに合わせて使い分けるといいですね。

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【四字熟語】「気炎万丈」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「気炎万丈」について解説する。

端的に言えば気炎万丈の意味は「ほかを圧倒するほど意気込みが盛んなこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「気炎万丈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「気炎万丈」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「気炎万丈」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「きえんばんじょう」で、「炎」の字を「焔(えん)」として「気焔万丈」と書くこともありますよ。

「気炎万丈」の意味は?

「気炎万丈」には、次のような意味があります。漢字に特徴のある四字熟語ですが、意味を正確につかめるよう詳しく見ていきましょう。

1.意気込みが他を圧倒するほど盛んであること。多くは意気盛んな談論についていう。

出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)

基本の意味は「意気込みが盛んであること」ですが、これからますます意気込みが盛んになっていくようすを表すこともあります。なお、どれぐらい盛んであるかというと、「他を圧倒するほど」という説明の通り、非常に盛んであるようすがわかりますね。

また、談論している場面など、議論しているようすや意見を戦わせているような場面で使われることが多くなっています。

「気炎万丈」の語源は?

次に「気炎万丈」の語源を確認しておきましょう。「気炎万丈」の漢字を丁寧にチェックしていくと、語源がわかってきますよ。

「気炎」は炎が燃え上がるように行きが盛んであること、「丈」は長さを表すので「万丈」とすると大変長いことや大変高いことを表します。炎が燃え上がって、その火柱が大変高くなっているようすに由来していますよ。意気盛んなようすを火柱に例えて、盛んさが際立っていることが伝わる表現です。

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