自然災害自体を防ぐことは難しいが、被害を小さくすることは人間の手でできる。今回は日本を襲った過去の災害と共に防災について科学館職員のたかはしふみかが解説していきます。
ライター/たかはし ふみか
日常に起こる不思議な現象を解明する科学が好きで理系に進んだリケジョ。高校では化学部、大学では工学部化学系で化学漬けの日々を送っていた。
自然災害とは
始めに自然災害とはなにか、ということから確認していきます。
自然災害とは自然現象によって人の命や社会活動に被害が生じることです。日本の法律(被害者生活再建支援法)で自然災害とは「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火、その他の異常な自然現象により生ずる被害」とされています。
人間が原因となる災害が人災というのに対して自然災害を天災、とも言いますね。
他人ごとではない災害、地震
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自然災害と聞いて地震を思い浮かべる人も多いでしょう。地震による災害は震災と呼ばれています。地震は地球の表面を覆ったプレートが動くことで起こっているのです。そのため、通常地震はこのプレート同士がぶつかっているところで起きています。しかし、プレートと関係なく地震が起こることもあり、そのメカニズムは完全には解明されていません。
地震の大きさとしてマグニチュード、震度という言葉をよく聞きます。マグニチュードは地震そのものの規模です。一方、震度は地域によって異なり、その場所での揺れの程度を示してます。
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地震は揺れによる被害の他、建物の倒壊、地盤沈下や液状化現象、さらには火事と様々な二次災によってより大きな被害が出てしまうケースが多くあります。東日本大震災では9割近くが津波が原因で亡くなりました。また震災の時は人々が混乱し警察や消防も出動しているため、窃盗や暴動、さらには性的暴行などの犯罪が起こり治安が悪くなってしまうこともあります。
わずかな時間の揺れでたくさんの被害が出る地震。被害が出ていない地域も募金や被災地のものを積極的に買うなどして復興に貢献できれば良いですね。
日本で起きた過去の震災
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我が国日本は地震が多い国ですが、中でも2011年に起きた東日本大震災は他の地震と比べることのできないほど大きな地震でした。震源は宮城県でありながら、日本の広範囲で揺れが確認され、たくさんの死傷者が出たのです。
規模が最も大きいのは東日本大震災ですが、死傷者が最も多いのは大正時代に起きた関東大震災になります。正確な人数は分からないながらも190万人が被災して10万人以上の人が死亡、あるいは行方不明となりました。
世界で起きた大震災
統計上、世界で過去最大規模の地震は1960年にチリで起きたチリ(バルディビア)地震です。マグニチュードは9.5。この地震の余波としてなんと日本の方にまで津波がやって来たそうです。この地震の正確な死傷者の人数は不明ですが、2200から6000人と言われています。
近年起きた大きな地震としては2004年に起きたスマトラ地震がマグニチュード9.1と大変大きな地震でした。また、余震が2000回以上も発生したとして2011年にニュージーランドで起きた2011年カンタベリー地震(マグニチュード6.1)などが知られています。
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