簡単でわかりやすい虹の仕組み!原理や作り方も科学館職員が詳しく解説
雨上がりに見える虹。霧吹きやホースを使って作ることもできるな。虹は必ず観察者から見て太陽と反対側にできる。条件によっては逆さまの虹や二重の虹もできることがあるぞ。ところで虹が七色であることはみんな知っていると思うが、ではそれが何色と何色でどんな順で並んでいるかをすぐに答えられるか?実は虹の色は国によって色も数も違う。
今回はなぜ虹ができるのか、虹は何色でどんな順に並んでいるのかということを科学館職員のたかはしふみかと解説していきます。
ライター/たかはし ふみか
不思議な現象を解き明かす科学が好きで理系に進んだリケジョ。高校、大学で化学漬けの日々を送っていた。
虹とは?
そもそも虹とはなんでしょうか?
虹は大気光象(たいきこうしょう:大気や大気中の水滴などに太陽や月の光が反射、屈折などしたときに見られる現象)のひとつで、太陽光が空中の水滴によって屈折、反射することで見ることができます。だから雨上がりの雨粒が多い時や滝で虹が見られるのですね。実はごくまれにですが月の光でも虹ができる(月虹)ことがあるのです。虹は英語ではrainbow(雨の弓)フランス語ではarc-en-ciel(空にかかるアーチ)と美しい意味が込められています。一方、漢字では虫偏であるように中国ではヘビや龍の仲間とみなされているのです。
虹のスピリチュアルな意味7選!幸運な未来の予兆かも?不思議なエネルギーに満ちた虹をスピリチュアルワールドを研究する筆者が徹底解説! | Mistory[ミストリー]
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虹の理解に必要なポイント
虹のでき方を理解するには光に関する現象への知識が必要です。光とはなにかを確認していきましょう。
光とは
image by Study-Z編集部
たくさんの色の絵の具を混ぜると黒になりますね。しかし色とは逆に光は混ざると白くなります。
例えばワードやエクセルで図形の色の設定を調整してみてください。赤、緑、青の色を調整することで様々な色を作ることができます。例えば赤を最大の255に設定し、残りの色を0にすると赤色になり、赤と青を255に緑を0にすると水色になるのです。そして3色すべてを255にすると白、125にするとグレー、0にすると真っ黒となります。
そのため、太陽から様々な波長の光が地上に届き、混ざって白っぽく見えるのです。太陽の光について詳細を知りたい人はこちらの記事を読んでくださいね。
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反射
波が跳ね返ることで、光が一方向に進む鏡反射、いろいろな方向に跳ね返る乱反射がある
入射光
空気(媒質1)→水(媒質2)のように光が異なる媒質に進むとき、媒質1を進む光のこと
屈折
空気→水のように光が異なる媒質に進むときに境界面で進行方向を変えること
光についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
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虹のできる原理~虹の色と太陽光
image by Study-Z編集部
皆さんは色の順番を正しく虹を描けますか?虹は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫色という順に並んでいます。この並びは光の長さ(波長)で決まっているのです。
人の目に見える波長の光を可視光線と言い、380~750nmくらいの範囲の光を指します。これより短いものを紫外線、長い物を赤外線と呼び、こちらは人の目で見ることができないので不可視光線というのです。
光が屈折してできる虹。波長が長いほど屈折しづらく(屈折率が低い)、波長が短いほど屈折しやすく(屈折率が高く)なります。そして屈折した光がそれぞれの色に分かれて届くのです。屈折率が低い赤が上となり、波長が短く屈折率の大きい紫が下の端となるので私たちから虹は赤が上で下は紫に見えるのですね。
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逆さの虹
空に逆さまにできる虹は環天頂アーク、環天頂弧などともいわれている気象現象です。逆さ虹は六角形型の氷の結晶に光が入り、光の進み方が曲がったときに見られます。雲の中にある氷の結晶のせいで起こっているのです。吉兆とも大地震の前兆ともいわれる逆さ虹。しかし現在地震の専門家からも気象の専門家からも逆さ虹と地震の関係は否定されています。
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