物理物理学・力学理科

ニュートンの功績から「力学」の3法則の概念をおさらい。理系ライターがわかりやすく解説

力の単位やら雑誌のタイトルにもなっている「ニュートン」。彼の功績は数多い。一般的によく知られている「力学」に加え、なんと微積分、熱力学、天文学など様々な分野で功績を残していて、それぞれ有名な公式になっている。

数ある功績の中でも取っ掛かりとして、今回は「力学」に着目して理系ライターのR175と解説していきます。

ライター/R175

関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。

1.ニュートンの力学法則

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りんごが落ちる様子から重力の存在を発見したニュートン。この記事では、ニュートンが残した数ある功績(というか公式、原理)の中から、第一ステップとして「力学」に絞って解説してきます。ニュートン力学第一法則第二法則第三法則と言われても意外とパッと出てこないもの。ということで、ニュートンの力学の3法則をおさらいしていきましょう。

2.ニュートンの力学第一法則

2.ニュートンの力学第一法則

image by Study-Z編集部

動いてる列車の中で真上にボールを投げたら、その後どこに落ちてくるの?」誰しも1回はこんな疑問を持つのではなかろうか。

「真上に投げていないから、投げた時と同じ地点Aに落ちてくるのでは?」、「でも、列車の床は動き続けている、投げた地点と同じ地点Aだと落ちてくる頃にはかなり後ろの方になる」、「いやいや、列車の床ベースで同じ地点、つまり地点B落ちてくるんじゃないの?」、「でもそれだと、真上だけじゃなく、横方向にも投げたってことか?」。

そんな疑問に答えてくれるのがニュートンの力学第一法則です。

ニュートンの力学第1法則1~慣性の法則~

いわゆる「慣性(かんせい)の法則」。物体に力を加えなければ、動いているものは(速度を変えずに)動き続け、静止しているものは静止し続ける(つまりは速度ゼロのまま)。力がかかってないなら、速度変化は起こりませんという法則。微分の形で書くと上記のような式に。速度を時間で微分してもゼロ。微分は「どれだけ変化したか」の指標であり、「一切変化なし」の場合は微分するとゼロということになります。

動いている列車でのボールを投げた時との関連

動いている列車でのボールを投げた時との関連

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さて、話を戻して動いてる列車で真上にボールを投げたらどこに落ちてくるの?という疑問を解決しましょう。列車はずっと60km/hrで走行していたとします。まずは、垂直方向と水平方向に力がかかったかどうかを考えましょう。

垂直方向には、投げた時に上向きにかけた力および重力が働きます。ところが水平方向は何の力も受けていません。つまり投げる前も投げて空中にある間も落ちてきた後もボールの水平方向の速度は変わりません。ずっと60km/hrの列車内に乗っているので、60km/hrで水平方向に移動し続けます。

ボールは投げられた後に一旦床と離れますが、床もボールも水平方向の力は受けていないので離れている間も60km/hrで移動し続けており、落ちてくる場所は地点Bとなるのです。

投げた人からすれば「ボールは真上にしか力をかけていない」という感覚ですがそもそも投げる前から60km/hrで移動してしいまっているので、その動きはどうすることも出来ず、結果外から見ると斜め上に向かってボールを投げたように見えます(斜方投射)。

3.ニュートン力学第2法則~運動方程式~

3.ニュートン力学第2法則~運動方程式~

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ニュートン力学の第2法則は運動方程式F=maと覚えられているあれです。正式な定義は上記のイラストに書いている定義となります。質点(重さはあるけど体積は持たない点、詳細は後述)の加速度は質点に加えている力に比例し、質量に反比例するという定義。

加速度が力に比例し、質量に反比例するということを発見したというよりは、そうなるように「力」を定義したという方が正しいでしょう。

なぜ質点?

なぜ質点?

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体積を持たない質量のみを持つという定義の質点。現実にはあり得ませんが、なぜそのような考え方を持ってくるのでしょうか?

体積を持った状態で力を考えると非常にややこしいから。例えば、サイコロを机の上に置いているとしましょう。サイコロには重力が働きます。この重力、どう表現しますか?通常は真ん中に代表して矢印を引っ張り、それを以って全体の重力として表現しますね。

しかし、実際は真ん中だけでなく端っこにも端から0.1mmの地点にも、その0.05mm隣にも、全体に渡ってどこでも力が働いています。全て表現しようとしたら矢印が無限の数になる上、それら1本1本がどれくらいの力なのかはもはや定義のしようがありません。唯一分かっているのはそれら全てを合計すれば全体の重量分の重力になるということのみ。

このように体積を持ったままだとどの地点の力を考えるか?そしてその力の大きさはいくらなのか?という問題が出てくるため、非常にややこしくなりますね。そこで運動方程式をはじめ「力」を考える時は代表の点のみで考え、そこに全質量が集約されているとします。代表となる点は重心とよばれる点。詳しい説明は割愛しますが物体のド真ん中と考えましょう。

4.ニュートン力学第3法則~作用反作用~

力学法則でもう一つ重要なのが「作用・反作用の法則」。物体Aから物体Bに力F(AB)が作用していれば、必ず同時に物体B→物体AにF(AB)と同じ大きさ逆向きの力が発生しているというもの。

例えば壁を押すと同時に壁が押し返してくる力(手ごたえ)が働きます。もし押し返してくる力がないなら、手ごたえなしということで「そもそも壁を押していない」ということになっちゃいますね。力が力として成立するためには必ず反作用の力が必要ということです。机の上にボールを置いている場合、ボールが机を押すと同時に机もボールを押しています。

接触なしでも「反作用」はある

接触なしでも「反作用」はある

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実は触れていない物体同士でも反作用の力が働いています。反作用を見つけにくい例ですね。

自由落下中のボールにも実は反作用の力が働いていま。自由落下の原因は「地球がボールを引っ張っている」ため。逆に言うと、ボールも地球を引っ張っていて、これが反作用の力。地球がボールを引っ張る力、ボールが力を引っ張る力はどちらも「万有引力」。どんな物同士でも引っ張り合うというルールの元、地球がボールを引っ張る力とボールが地球を引っ張る力どちらも発生することで「自由落下」という現象が起きているのです。

\次のページで「ニュートンの力学則」を解説!/

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