
端的に言えば「引導を渡す」の意味は「あきらめさせる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んです。一緒に「引導を渡す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/すけろく
現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。
「引導を渡す」の意味は?
「引導を渡す」には、次のような意味があります。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「引導を渡す」
「引導を渡す」にある「引導」とは、葬儀の際に僧侶が故人に対して悟りの境地に入れるように経文や法語を唱えることをいいます。すると、この場合の渡す相手は当然「故人」以外には考えられません。
つまり、亡くなった人が無事にあの世へ旅立てるようにしてあげるというわけです。このことが転じて、二つめの意味にあるように相手があきらめてくれるような言動をとることも「引導を渡す」というようになりました。
葬儀中のどの部分を「引導」とするかは、宗派によっても異なるそうです。
「引導を渡す」の由来は?
次に「引導を渡す」の由来を確認しておきましょう。「引導を渡す」の「引導」は、仏教用語です。
本来は「衆生(しゅじょう)」=「生きとし生けるものたち」を仏道に導き引き入れることを意味していました。その後、それが転じて現在用いられているような意味合いでも用いられるようになったようです。
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