
機体を上向きに押し上げる「揚力」について理系ライターのR175と初心者目線で見ていこう。

ライター/R175
関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。
1.揚力

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2.流体の流れが曲げられた時
2-1.曲がった川の流れ

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2-2.外側と内側の水圧
\次のページで「3.翼に働く力(圧力を使った説明)」を解説!/
飛行機が空を飛ぶ仕組み、簡単に説明出来そうで意外と出来ないもの。ネットでは「メカニズムは不明」などと間違った見解も散見されるため注意が必要です。ざっくり言ってしまえば超高速で進みながら気流の向きを上手いこと調整して、上向きの力(揚力)が働くようにしている。
機体を上向きに押し上げる「揚力」について理系ライターのR175と初心者目線で見ていこう。
ライター/R175
関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。
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\次のページで「3.翼に働く力(圧力を使った説明)」を解説!/
翼の形は、
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空気は圧力高い方から低い方に移動しようとしますね。3-
翼に働く上向きの力「揚力」は、空気から翼に働く力の作用・反作用から考えることも出来ます。流体の流れが曲がった時外側で云々、内側で云々といった話が出てこないので取っつきやすいかもしれません。
しかし、この説明では翼の上側で噴流(ジェット)が発生しているという仮定が必要になります。
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作用、反作用で揚力を考える場合は翼の下側の方が取っつきやすいので先に見ていきましょう。イラストのように、翼の下側の斜めの面に左から右に空気衝突。この時、翼によって空気は下方向に押し下げられますね。これが作用の力。対して、反作用の力は空気が翼を押し上げる力。上向きに働き、これが揚力の元になります。
斜め向けに持った下敷きに風を当てると上に浮いていくのが想像できますね。作用反作用で説明すると、翼下側に関しては至ってシンプル。問題は翼上側。
\次のページで「4-2.翼の上側での作用反作用」を解説!/
作用反作用で揚力を考える場合、翼上側での挙動説明が少々厄介。イラストのように左から右に空気が流れてくるわけですが、翼の上に差し掛かったところでどうなるの?というところが直感的にとらえづらいですね。
このように流れの途中で壁(この場合は翼の上面)が現れた場合は壁に引き寄せられるという性質があります。壁(翼上面)が空気をを引き寄せるのが作用の力であれば、反作用は空気が壁(翼上面)を引き寄せる力。つまり空気から翼に上向きの力が働くことになります。
ただし、空気が壁に引き寄せられるというのは噴流(ジェット)が発生しているという仮定が必要。なぜなら、壁に引き寄せられるという現象(コアンダ効果)は噴流ありきの現象だから。噴流は流れが進むにしたがい、運動量は保ちつつも、エネルギーは減少していくという性質を持ちます。つまり、噴流は質量が増加し続ける必要があり、このためには周囲の流体を引き込むのです。
もし、噴流のそばに壁があり流体を引き込めない場合は噴流が壁に引き込まれることになります。これが壁に引き寄せられる所以。噴流ありきの説明となってしまいます。
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揚力には何が影響しているか定量的に見ていきましょう。揚力Lは上記のように表せます。
流体の密度の1乗、速度の2乗、翼の面積の1乗に比例することが分かりますね。なるべく大きな揚力を得るにはどうしたらよいか?流体の密度とは空気の密度のことで、これはなかなか変えづらい。速度は2乗に比例、揚力への影響が大きいということ。そのため、飛行機は高速で飛び続ける必要があるのです。もし巡航速度を半分に落としてしまったら、揚力は1/4にまで落ちてしう。また翼の面積も影響していて、想像通り大きな翼をつけた方が大きな揚力が得られることが確認できます。
揚力は字の通り揚げる(あげる)力。翼の上と下での空気の流れのカーブを考える方法と、空気と翼に働く力の作用反作用を考える方法がありますが、いずれにせと下→上向きに働くとイメージを持っておくことが重要。
翼の上側から翼が持ち上げられ、下側からは突き上げられるということを想像しながら現象を読み解いていきましょう。
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関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。
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