
「弓を引く」:主君などに背く、反抗する
「弓を引く」は「主君などに背く」「反抗する」という意味の表現です。「弓を引く」は主君や君主に対して用いられることが多い言葉ですね。上司や監督といった立場の人に対して反抗する場合には用いられません。
「弓を引く」の本来の意味は、もちろん「弓に矢をつがえ、弦を引っ張る(つまり、矢を放つ)」です。普通は矢を放つ相手は敵ですよね。そこから、敵対する、反抗するというニュアンスが生まれていきました。
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「旗」が含まれるその他の表現

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「反旗を翻す」は「旗」に関連した慣用句でした。ここでは、最後に「旗」に関連して、「旗」が含まれるその他の表現を見ていきましょう。日本語には「旗」が含まれる表現がたくさんあります。今回は、その一部をご紹介しましょう。
「錦の御旗」:自己の行動・主張を権威づけるためのもの
「錦の御旗(にしきのみはた)」は「自己の行動・主張を権威づけるためのもの」という意味の表現です。自分の行動や主張を正当化できる口実を表す表現ですね。「大義名分」と言い換えが可能です。
本来、「錦の御旗」は朝廷が朝敵を討伐する際に官軍のしるしとして用いたものでした。幕末の鳥羽伏見の戦いでは、新政府軍に錦の御旗が掲げられたことで、一部の幕府方の軍は精神的に混乱してしまい、敗北につながったとも言われていますよ。
「白旗をあげる」:負けを認める
「白旗をあげる」は「負けを認める」という意味の表現です。本来は戦争で負けを認め、敵に対して降伏することを表します。現代では比喩的に、対立している相手に対して負けを認めたり、降参したりする場合にも使用しますね。
この「白旗をあげる」行為が、いつ降伏のしるしとして用いられるようになったのかははっきりしませんが、1907年のオランダで開かれた国際会議で、「降伏のしるしとして白旗をあげる」ことが戦時国際法で定められました。
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もしあなたが誰かに「反旗を翻し」たくなったら…。
今回は「反旗を翻す」について解説しました。「反旗を翻す」は「権威・権力などに逆らう」という意味の慣用句で、ある物事や人物に対し、反対の立場を鮮明にして行動を起こすことを意味します。下の立場の人間が上の立場の人間に逆らうことに対して使われる場合がほとんどです。
もし、あなたが誰かに対して「反旗を翻し」たくなったとしましょう。その場合は、反旗を翻して本当に自分にメリットがあるのかをよく考えてください。メリットがある場合でも、デメリットの方が大きいかもしれません。その時の感情だけで動かないように気をつけましょう。