
1.あまりにも理不尽な監督の選手起用法に対し、選手たちは監督に公然と反旗を翻し、連盟に監督解任を要請した。
2.独裁国家で市民が国のトップに反旗を翻して行動するのは難しい。すぐに弾圧されてしまうからだ。
3.織田信長に反旗を翻し、見事にこれを討ち取った明智光秀であったが、その後はあっけなかった。
例文1では、あるチームの選手たちが監督の方針に反対して行動を起こしたことを、「反旗を翻す」と表現しています。監督と選手は基本的に監督が上で、選手がその指示に従う立場にありますよね。その原則から逸脱して反対行動を起こしたことを表すのに、「反旗を翻す」はピッタリの表現と言えるでしょう。
例文2では、独裁国家で市民が国のトップに対して抗議活動をしたり反対運動をしたりすることを「反旗を翻す」を使用して表現しています。言論の自由がある日本人からすると、「なんで○○人は国のトップに対して抗議しないんだ」と思う人がいるかもしれません。彼らは「しない」のではなく、「できない」のです。
例文3では、「謀反を起こす」の言いかえとして「反旗を翻す」が使用されています。歴史的事実について語る際、「謀反を起こす」の言いかえ表現としてよく使用されるのが、この「反旗を翻す」です。
「反旗を翻す」の類義語は?

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次に、「反旗を翻す」の類義語を確認していきましょう。「反旗を翻す」の類義語は「謀反を起こす」「反逆する」「弓を引く」です。意味やニュアンスを確認し、「反旗を翻す」と比較してみてください。
「謀反を起こす」:国や主君に背き兵を挙げる
「謀反を起こす(むほんをおこす)」は「国や君主に背いて兵を挙げる」という意味の表現です。自分が仕えている国家や君主、自身の主君に背き、その国家や君主、主君を滅ぼすために兵を挙げることを「謀反を起こす」と言います。
「謀反を起こす」と「反旗を翻す」の違いは、「謀反を起こす」は背く対象が国家や君主、主君に限定される場合が多いこと、「兵を挙げる」というニュアンスが含まれる場合が多いことの2点ですね。
「反逆する」:国や権力、主君に逆らい背く
「反逆する」は「国や権力、主君に逆らい背く」という意味の表現です。国家や主君以外にも、広く目上の人に対して使用可能という特徴があります。「反旗を翻す」と意味や使用場面、ニュアンスはほぼ同一であるため、互いに言い換えが可能です。
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