学校の先生との関係というのは面倒な時がありますよね。「○○先生は××先生の味方だ!」や「あの人が△△に反旗を翻したぞ!こっちの味方だ!」など…。ところで、今回はこの「反旗を翻す」に注目してみましょう。「反旗を翻す」は言い換えれば「反逆する」という意味です。

院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「反旗を翻す」の意味や使い方は?

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「反旗を翻す(はんきをひるがえす)」という言葉、使ったことはないけど見聞きしたことならある…という人が多いのではないでしょうか。意外と使いどころのある言葉ですよ。まずは、その「反旗を翻す」の意味と使い方を確認していきましょう。

「反旗を翻す」の意味は「権威・権力などに逆らう」

最初に、「反旗を翻す」の辞書での意味を確認していきましょう。「反旗を翻す」は、国語系の辞典には次のような意味が掲載されています。

謀反(むほん)を起こす。権威・権力などに逆らう。反逆する。

出典:明鏡 ことわざ成句使い方辞典(大修館書店)「はんきをひるがえす【反旗を翻す】

「反旗を翻す(はんきをひるがえす)」は「権威・権力などに逆らう」という意味の慣用句です。ある物事や人物に対し、反対の立場を鮮明にして行動を起こすことを意味します下の立場の人間が上の立場の人間に逆らうことに対して使われる場合がほとんどですね。対等の人間同士で使用することがありますが、上の立場の人が下の立場の人に反対して行動するような場合には、「反旗を翻す」は用いられません。

「反旗(はんき)」は「謀反を起こす際に立てる旗」を意味し、「翻す(ひるがえす)」は「風に吹かれてひらひらする」という意味の他、「これまでの態度や意見が急に変わる」という意味がある言葉です。「反旗」「翻す」という2つの「裏切り」のニュアンスがある言葉を使用した表現ですね。

「反旗を翻す」の使い方を例文とともに確認!

続いて、「反旗を翻す」の使い方を確認していきましょう。「反旗を翻す」が文中に含まれた例文を3つ用意しました。どのような場面で、文脈で使用されているのか、確認していきましょう。

\次のページで「「反旗を翻す」の類義語は?」を解説!/

1.あまりにも理不尽な監督の選手起用法に対し、選手たちは監督に公然と反旗を翻し、連盟に監督解任を要請した。
2.独裁国家で市民が国のトップに反旗を翻して行動するのは難しい。すぐに弾圧されてしまうからだ。
3.織田信長に反旗を翻し、見事にこれを討ち取った明智光秀であったが、その後はあっけなかった。

例文1では、あるチームの選手たちが監督の方針に反対して行動を起こしたことを、「反旗を翻す」と表現しています。監督と選手は基本的に監督が上で、選手がその指示に従う立場にありますよね。その原則から逸脱して反対行動を起こしたことを表すのに、「反旗を翻す」はピッタリの表現と言えるでしょう。

例文2では、独裁国家で市民が国のトップに対して抗議活動をしたり反対運動をしたりすることを「反旗を翻す」を使用して表現しています。言論の自由がある日本人からすると、「なんで○○人は国のトップに対して抗議しないんだ」と思う人がいるかもしれません。彼らは「しない」のではなく、「できない」のです。

例文3では、「謀反を起こす」の言いかえとして「反旗を翻す」が使用されています。歴史的事実について語る際、「謀反を起こす」の言いかえ表現としてよく使用されるのが、この「反旗を翻す」です。

「反旗を翻す」の類義語は?

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次に、「反旗を翻す」の類義語を確認していきましょう。「反旗を翻す」の類義語は「謀反を起こす」「反逆する」「弓を引く」です。意味やニュアンスを確認し、「反旗を翻す」と比較してみてください。

「謀反を起こす」:国や主君に背き兵を挙げる

「謀反を起こす(むほんをおこす)」は「国や君主に背いて兵を挙げる」という意味の表現です。自分が仕えている国家や君主、自身の主君に背き、その国家や君主、主君を滅ぼすために兵を挙げることを「謀反を起こす」と言います

「謀反を起こす」と「反旗を翻す」の違いは、「謀反を起こす」は背く対象が国家や君主、主君に限定される場合が多いこと、「兵を挙げる」というニュアンスが含まれる場合が多いことの2点ですね。

「反逆する」:国や権力、主君に逆らい背く

「反逆する」は「国や権力、主君に逆らい背く」という意味の表現です。国家や主君以外にも、広く目上の人に対して使用可能という特徴があります。「反旗を翻す」と意味や使用場面、ニュアンスはほぼ同一であるため、互いに言い換えが可能です。

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「弓を引く」:主君などに背く、反抗する

「弓を引く」は「主君などに背く」「反抗する」という意味の表現です。「弓を引く」は主君や君主に対して用いられることが多い言葉ですね。上司や監督といった立場の人に対して反抗する場合には用いられません。

「弓を引く」の本来の意味は、もちろん「弓に矢をつがえ、弦を引っ張る(つまり、矢を放つ)」です。普通は矢を放つ相手は敵ですよね。そこから、敵対する、反抗するというニュアンスが生まれていきました。

「旗」が含まれるその他の表現

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「反旗を翻す」は「旗」に関連した慣用句でした。ここでは、最後に「旗」に関連して、「旗」が含まれるその他の表現を見ていきましょう。日本語には「旗」が含まれる表現がたくさんあります。今回は、その一部をご紹介しましょう。

「錦の御旗」:自己の行動・主張を権威づけるためのもの

「錦の御旗(にしきのみはた)」は「自己の行動・主張を権威づけるためのもの」という意味の表現です。自分の行動や主張を正当化できる口実を表す表現ですね。「大義名分」と言い換えが可能です。

本来、「錦の御旗」は朝廷が朝敵を討伐する際に官軍のしるしとして用いたものでした。幕末の鳥羽伏見の戦いでは、新政府軍に錦の御旗が掲げられたことで、一部の幕府方の軍は精神的に混乱してしまい、敗北につながったとも言われていますよ。

「白旗をあげる」:負けを認める

「白旗をあげる」は「負けを認める」という意味の表現です。本来は戦争で負けを認め、敵に対して降伏することを表します。現代では比喩的に、対立している相手に対して負けを認めたり、降参したりする場合にも使用しますね。

この「白旗をあげる」行為が、いつ降伏のしるしとして用いられるようになったのかははっきりしませんが、1907年のオランダで開かれた国際会議で、「降伏のしるしとして白旗をあげる」ことが戦時国際法で定められました。

もしあなたが誰かに「反旗を翻し」たくなったら…。

今回は「反旗を翻す」について解説しました。「反旗を翻す」は「権威・権力などに逆らう」という意味の慣用句で、ある物事や人物に対し、反対の立場を鮮明にして行動を起こすことを意味します。下の立場の人間が上の立場の人間に逆らうことに対して使われる場合がほとんどです。

もし、あなたが誰かに対して「反旗を翻し」たくなったとしましょう。その場合は、反旗を翻して本当に自分にメリットがあるのかをよく考えてください。メリットがある場合でも、デメリットの方が大きいかもしれません。その時の感情だけで動かないように気をつけましょう。

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国語言葉の意味

簡単にしていい事ではない…「反旗を翻す」の意味や類義語などを院卒日本語教師が分かりやすく解説

学校の先生との関係というのは面倒な時がありますよね。「○○先生は××先生の味方だ!」や「あの人が△△に反旗を翻したぞ!こっちの味方だ!」など…。ところで、今回はこの「反旗を翻す」に注目してみましょう。「反旗を翻す」は言い換えれば「反逆する」という意味です。

院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「反旗を翻す」の意味や使い方は?

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「反旗を翻す(はんきをひるがえす)」という言葉、使ったことはないけど見聞きしたことならある…という人が多いのではないでしょうか。意外と使いどころのある言葉ですよ。まずは、その「反旗を翻す」の意味と使い方を確認していきましょう。

「反旗を翻す」の意味は「権威・権力などに逆らう」

最初に、「反旗を翻す」の辞書での意味を確認していきましょう。「反旗を翻す」は、国語系の辞典には次のような意味が掲載されています。

謀反(むほん)を起こす。権威・権力などに逆らう。反逆する。

出典:明鏡 ことわざ成句使い方辞典(大修館書店)「はんきをひるがえす【反旗を翻す】

「反旗を翻す(はんきをひるがえす)」は「権威・権力などに逆らう」という意味の慣用句です。ある物事や人物に対し、反対の立場を鮮明にして行動を起こすことを意味します下の立場の人間が上の立場の人間に逆らうことに対して使われる場合がほとんどですね。対等の人間同士で使用することがありますが、上の立場の人が下の立場の人に反対して行動するような場合には、「反旗を翻す」は用いられません。

「反旗(はんき)」は「謀反を起こす際に立てる旗」を意味し、「翻す(ひるがえす)」は「風に吹かれてひらひらする」という意味の他、「これまでの態度や意見が急に変わる」という意味がある言葉です。「反旗」「翻す」という2つの「裏切り」のニュアンスがある言葉を使用した表現ですね。

「反旗を翻す」の使い方を例文とともに確認!

続いて、「反旗を翻す」の使い方を確認していきましょう。「反旗を翻す」が文中に含まれた例文を3つ用意しました。どのような場面で、文脈で使用されているのか、確認していきましょう。

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