空を見上げると太陽、月、金星などさまざまな天体が見えるな。太陽は恒星、月は衛星、そして金星や地球は惑星に分類されている。

惑星とは恒星の回りを公転する天体のことです。惑星には地球型惑星、木星型惑星、海王星型惑星という分類や内惑星、外惑星という分類がある。また小惑星、準惑星という天体もある。地球のような惑星と小惑星、準惑星は何が違うのでしょうか?

今回は惑星の種類についてをプラネタリウムの試写会にも参加している元家庭教師の科学館職員、たかはしふみかが解説します。

ライター/たかはし ふみか

工学部化学系出身のリケジョ。高校では化学部で脂肪酸や色素を、大学ではバイオ燃料について研究していた。大学では家庭教師や実験助手のバイトしていていた。工場や教育関係の仕事を経て、現在は科学館で働く。

天体の種類と定義

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天体とは宇宙空間に存在する岩石やガス、塵 などが凝縮した状態の物体のことです。天体の種類を地球の周りの天体を使って簡単に説明すると次のように分類されます。

恒星(太陽) 自ら光を放つ天体

惑星(地球) 恒星の周りを公転する天体

衛星(月)  惑星の周りを公転する天体

いま私たちがいる地球(惑星)、日中空で輝く太陽(恒星)、そして日によって形が変わる月(衛星)。この3つは小学校、中学校で学ぶので知っている人も多いでしょう。

ところで天体には他に小惑星、準惑星という分類もあります。惑星、と入っていますが地球などの惑星とは何が違うのでしょうか?

小惑星と準惑星

小惑星、準惑星について紹介していきます。

小惑星とは惑星よりも軽く、重さが不十分で丸くなれずいびつな形のものが多い天体のことです。分かっている小惑星の多くが木星軌道と火星軌道の間に存在しています。この範囲は小惑星帯と呼ばれているのです。1801年に最初の小惑星ケレスが発見され、その後軌道が確定した小惑星が45万個以上見つかっています。

一方、準惑星とは公転する軌道上に衛星以外の天体があり、衛星ではない天体の事を指し、準惑星として有名なのが冥王星です。冥王星はもともと惑星に分類されていました。しかし冥王星の軌道上にもっと大きな天体が見つかったことをきっかけに、惑星の定義が見直されて準惑星という区分が作られたのです。

\次のページで「太陽系の惑星」を解説!/

太陽系の惑星

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太陽系には8つの惑星があります。太陽系の惑星は太陽に近い方から順に

水星 最も太陽に近く、太陽系で最も小さな惑星

金星 明けの明星、宵の明星として知られる惑星

地球 現在知られる中で唯一生命体のいる惑星

火星 表面い酸化辰が含まれ、地表が赤っぽく見える惑星

木星 太陽系最大の惑星

土星 リングが美しい、宝石と表現されることのある惑星

天王星 自転軸が大きく傾き、横向きに自転する惑星

海王星 太陽から最も遠くにある、青色の惑星

と並んでいます。

先ほども説明したように、冥王星も元々惑星に分類されていましたが2006年に分類が変更し準惑星となりました。そのため現在太陽系の惑星は8つの惑星があります。

太陽系の惑星につてはこちらの記事も読んでみてくださいね、

内惑星と外惑星

内惑星と外惑星

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内惑星外惑星の内と外は何を意味しているのでしょうか?これは地球から見た時に内側(太陽側)なのか外側なのかで決められています。地球より内側にあるのは水星と金星で、外側にあるのは火星、木星、土星、天王星、海王星があるのです。

太陽側にある水星と金星は日の出と日の入りのわずかな時間しか見ることができません。一方外惑星の場合、太陽・地球・外惑星という順に並んだ時(衝)、一晩中見え観測に最適です。

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地球といちばん距離が近い惑星は何でしょうか?実はこれはいつも一緒というわけではありません。並び的には火星か金星に思えますが、それぞれ公転のスピードが異なり並び方も変化します。そのため、例えば太陽をはさんで同じ側に地球と水星、反対側に金星と火星がある場合は水星が最も地球に近い惑星となる場合もあるのです。というよりも、水星は公転の軌道が小さく、地球からそんなに遠くに行くことはありません。そのため、水星と地球の間に金星があるのにもかかわらず、地球にいちばん近い時間が多いのは実は水星なのです。

\次のページで「地球型惑星・木星型惑星・天王星型惑星」を解説!/

地球型惑星・木星型惑星・天王星型惑星

地球型惑星・木星型惑星・天王星型惑星

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惑星はその成分からも分類することができます。一体惑星は何からできているのでしょうか。

太陽から近い水星、金星、地球、火星は岩石や金属からできています。比較的質量が小さくに都度が大きいことが特徴です。これらの惑星を「地球型惑星」と呼びます。一方、木星よりも太陽から遠い惑星は「木星型惑星」に分類されているのです。木製型惑星は大惑星とも言い、直径は地球の4倍、重さは10倍以上ありますが密度は小さいのが特徴。表面を液体や気体の水素、ヘリウムなどのガスが覆っています。ただ、天王星と海王星は木星に比べ水やメタンが多くガスが少ないことから「天王星型惑星」と分類することもあるのです。

太陽系外惑星

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広大な宇宙では太陽系以外にも惑星は存在しています。太陽以外の恒星の周りを公転するこれらの惑星は太陽系外惑星(系外惑星)と呼ばれているのです。

1995年に初めて公転する太陽系外惑星が発見され、その功績が認められて発見者であるスイスの学者、マイヨール博士とケロー博士は2019年のノーベル物理学賞を受賞しました。それ以降、次々と太陽系外惑星が発見され、その数は4000個以上にもなります。

日本が名付けた太陽系外惑星

日本から命名した太陽系外惑星もあります。2019年に世界の国と地域が1組の恒星とその周りを公転する惑星に名前を付ける、という企画が国際天文学連合(IAU)によって行われたのです。日本は恒星にアイヌ語で髪の宿る場所を意味する「カムイ」、惑星に沖縄で自然の美を意味する「ちゅら」と名付けました。

惑星の種類

惑星とは自ら光らず、太陽などの恒星の周りを公転している惑星のことです。以前は冥王星も惑星とされていましたが、2006年に準惑星に分類が変更されました。また、小惑星という分類の天体もあるのです。

太陽系の惑星は地球から見た位置で内惑星と外惑星、そして構成する物質から地球型惑星、木星型惑星と天王星型惑星に分類されています。

太陽系以外の惑星は太陽系外惑星と呼ばれ、1995年に最初の惑星が発見されて以来、4000個以上の惑星が発見されました。カムイとちゅらという日本が命名した太陽系外惑星もあります。

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地学宇宙理科

「惑星」にはどんな種類がある?科学館職員がわかりやすく説明

空を見上げると太陽、月、金星などさまざまな天体が見えるな。太陽は恒星、月は衛星、そして金星や地球は惑星に分類されている。

惑星とは恒星の回りを公転する天体のことです。惑星には地球型惑星、木星型惑星、海王星型惑星という分類や内惑星、外惑星という分類がある。また小惑星、準惑星という天体もある。地球のような惑星と小惑星、準惑星は何が違うのでしょうか?

今回は惑星の種類についてをプラネタリウムの試写会にも参加している元家庭教師の科学館職員、たかはしふみかが解説します。

ライター/たかはし ふみか

工学部化学系出身のリケジョ。高校では化学部で脂肪酸や色素を、大学ではバイオ燃料について研究していた。大学では家庭教師や実験助手のバイトしていていた。工場や教育関係の仕事を経て、現在は科学館で働く。

天体の種類と定義

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天体とは宇宙空間に存在する岩石やガス、塵 などが凝縮した状態の物体のことです。天体の種類を地球の周りの天体を使って簡単に説明すると次のように分類されます。

恒星(太陽) 自ら光を放つ天体

惑星(地球) 恒星の周りを公転する天体

衛星(月)  惑星の周りを公転する天体

いま私たちがいる地球(惑星)、日中空で輝く太陽(恒星)、そして日によって形が変わる月(衛星)。この3つは小学校、中学校で学ぶので知っている人も多いでしょう。

ところで天体には他に小惑星、準惑星という分類もあります。惑星、と入っていますが地球などの惑星とは何が違うのでしょうか?

小惑星と準惑星

小惑星、準惑星について紹介していきます。

小惑星とは惑星よりも軽く、重さが不十分で丸くなれずいびつな形のものが多い天体のことです。分かっている小惑星の多くが木星軌道と火星軌道の間に存在しています。この範囲は小惑星帯と呼ばれているのです。1801年に最初の小惑星ケレスが発見され、その後軌道が確定した小惑星が45万個以上見つかっています。

一方、準惑星とは公転する軌道上に衛星以外の天体があり、衛星ではない天体の事を指し、準惑星として有名なのが冥王星です。冥王星はもともと惑星に分類されていました。しかし冥王星の軌道上にもっと大きな天体が見つかったことをきっかけに、惑星の定義が見直されて準惑星という区分が作られたのです。

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