この記事では「意気投合」について解説する。

端的に言えば意気投合の意味は「気持ちが一致する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「意気投合」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「意気投合」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「意気投合」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「意気投合」の意味は?

「意気投合」には、次のような意味があります。

互いの気持ちがぴったりと合うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「意気投合」

初対面であるにも関わらず、驚くほど話が合った経験があるならば、「意気投合」は想像しやすいのではないでしょうか。「意気(いき)」は、物事をやり遂げようとする積極的な気持ち。「投合(とうごう)」は、互いの気持ちがぴったり合うという意味になります。「ぴったり」と表現するほどなので、丁寧に言葉で説明せずとも、相手と全く同じ気持ちを共有できた様子が目に浮かびますね。

似たような意味で「気が合う」がありますが、「意気投合」とは少しニュアンスが違います。「気が合う」は、考え方や感じ方が通じ合う状態。たとえば、同じ映画をみて感想が一致した時に「気が合う」といえますね。対して「意気投合」は、お互いに気持ちが打ち解けて会話が弾み、相手と仲良くなれた場合に使われることが多いです。そのため、順序としては「気が合って」から「意気投合」する流れが自然といえるでしょう。

「意気投合」の使い方・例文

「意気投合」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「意気投合」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.違うクラスなのに、同じサッカークラブだと知って意気投合した。

2.意気投合した仲なので、立ち上げたプロジェクトはきっと上手くいくだろう。

3.職業が同じ作家であることから彼と意気投合、それからずっと良き友人である。

当然のことかもしれませんが、「意気投合」は第三者に対して説明する時に使う四字熟語です。「意気投合」した相手に使う言葉ではありません。相手に「気が合うね」と伝えることはあっても「意気投合したね」とは言いませんよね。ほかの友人と談笑している時など、出来事を報告する感覚で使うとよいでしょう。

また、ビジネスでも「意気投合」は使いやすいのではないでしょうか。「顧客と意気投合した」と上司に報告すれば、きっと契約は上手くいくだろうと思ってくれるはずです。仕事を円滑に進めるためにも「意気投合」は欠かせません。普段から密なコミュニケーションを心掛けていれば、「意気投合」する場面が自然と増えていくはずですよ。

「意気投合」の類義語は?違いは?

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では「意気投合」の類義語や違いをみていきましょう。

「情意投合」

「情意投合」は「じょういとうごう」と読みます。あまり使われることがない四字熟語ですが、意味は「意気投合」と全く同じ。互いに思いや考えが通じ合うことを表す時に使います。「情意」は「感情」や「気持ち」という意味。「投合」が加わることによって、気持ちが互いにぴったり合った様子が想像できますね。

ただし、同じ意味とはいえ、使われる割合としては「意気投合」が圧倒的に多いです。「情意投合したよ」と報告すれば、相手はキョトンとしてしまうかもしれません。日常会話で使うならば「意気投合」をお勧めします。

「以心伝心」

「以心伝心(いしんでんしん)」は、仏教の教えから生まれた四字熟語で、意味は無言でも心が通じ合うこと。言葉を発してなくても、アイコンタクトなどで意思の疎通ができている様子をイメージするとよいでしょう。「意気投合」は、気持ちがぴったり合うという意味ですから、「以心伝心」の方がより密な関係を築けているといえますね。

ちなみに、よくある間違いで「以心伝心」を「意心伝心」と書く人が多いです。「以心」は「心を以って心が伝う」という意味を省略した言葉。「意心」という言葉は存在しないので、間違えないように注意しましょう。

\次のページで「「意気投合」の対義語は?」を解説!/

「意気投合」の対義語は?

では、次に「意気投合」の対義語をみていきましょう。

「不一致」

「不一致」は、普段からよく使われる言葉ではないでしょうか。意味は、ぴったり合わないこと。まさに「意気投合」の反対といえるでしょう。よく「性格の不一致」などと表現しますよね。全く気が合わなかったのだと、周囲へ伝えたい時に使ってみてください。

「不協和音」

「不協和音」は音楽用語。二つ以上の音が協和しない時に使います。綺麗なハーモニーを奏でているなら心地よいですが、音がそもそも合っていないなら、聴いていて不快になりますよね。その様子から、音楽用語として使われる以外にも、不調和な関係のたとえとして使われるようになりました。

「調和」とは、矛盾や衝突がなく、まとまっているという意味。「不」がつくことによって反対の意味なるわけですから、「不調和」は周囲に調和しない釣り合わない様子を表す言葉になります。例としては「友人関係に不協和音が生じる」といった使い方をするとよいでしょう。

「意気投合」の英訳は?

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では、「意気投合」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「clicked」

「clicked」は「click」の過去形で「カチッとした音」という意味であることから、「(すぐに)気が合う」や「しっくりくる」といった意味合いで英訳することができます。使い方は至ってシンプル。「We clicked with each other」と言えば、「each other」はお互いにという意味なので「私達は互いに意気投合した」と伝えることができるでしょう。また、「気が合わない」と表現したい場合は「not clicking」と英訳すれば問題ありません。

「hit it off」

「意気投合」を表現したいならば「hit it off」と英訳するのがベストではないでしょうか。「hit it off」は直訳すると「仲が良い」や「気が合う」といった意味になります。「hit」を使っていることから、すぐ仲良くなれた時に使うとよいでしょう。たとえば「She and I hit it off well together」と言えば「彼女と私は意気投合した」と伝えることができますね。

\次のページで「「意気投合」を使いこなそう」を解説!/

「意気投合」を使いこなそう

この記事では「意気投合」の意味・使い方・類語などを説明しました。「意気投合」は、初対面の相手と気が合った時に使うだけとは限りません。職場や学校で毎日顔を合わせていても、全ての人と深く話すわけではありませんよね。他人から教えてもらった情報や見た目で判断し、自分とは気が合わないと勝手に決めてつけてしまいがちです。ところが、いざ話してみたら同じ趣味の持ち主かもしれません。同郷であれば地元の話で盛り上がるでしょうし、同じ芸能人が好きであれば、さらに話は盛り上がるのではないでしょうか。

「意気投合」は、身近な場所にこそ転がっています。気になる人がいるならば、ぜひ、あなたから話しかけてみてください。きっと、相手も笑顔で応えてくれるはずですよ。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「意気投合」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

「意気投合」を使いこなそう

この記事では「意気投合」の意味・使い方・類語などを説明しました。「意気投合」は、初対面の相手と気が合った時に使うだけとは限りません。職場や学校で毎日顔を合わせていても、全ての人と深く話すわけではありませんよね。他人から教えてもらった情報や見た目で判断し、自分とは気が合わないと勝手に決めてつけてしまいがちです。ところが、いざ話してみたら同じ趣味の持ち主かもしれません。同郷であれば地元の話で盛り上がるでしょうし、同じ芸能人が好きであれば、さらに話は盛り上がるのではないでしょうか。

「意気投合」は、身近な場所にこそ転がっています。気になる人がいるならば、ぜひ、あなたから話しかけてみてください。きっと、相手も笑顔で応えてくれるはずですよ。

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