・突然顧問の先生が辞めてしまって部活動の存続が危ぶまれたが、校長先生が代理人に立ってくれたおかげで、急転直下存続が決まった。
・長年、未解決事件として扱われていたあの事件だが、別件で逮捕された犯人の自白によって急転直下の解決をした。
・進路が希望通りに決まりそうだったのだが、学校側の不手際で急転直下、取りやめになってしまった。
「物事が急に展開する、別の動きを見せる」イメージが伝わるでしょうか。
ただ単に、急な出来事が起こるという意味では使えません。「晴れていたのに、急転直下、雨が降ってきた」とは一見言えそうですが、言葉の意味からは誤った使い方となります。注意しましょう。
また、「解決する」という意味を含むため、辞書によっては「良い意味でのみ使う」という紹介をされているものもありました。現在では、悪い意味の場合に使用しても問題はないようです。
例文の三番目は、あえて悪い意味で使うものも紹介しました。この場合は解決ではありませんが、進んでいた物事が別の結果に向かうということになっています。
読解問題などでこの四字熟語が使われていた場合には、どんな結果に向かっているかに注意したいですね。
「光芒一閃」
「光芒一閃(こうぼういっせん)」は「状況が一気に変わること」を意味する四字熟語です。
「光芒」は尾を引いてすじのように見える光のこと。「一閃」はピカッと光ること。さっと光るイメージで、状況がそのように変わるという意味になりますね。
ただしこの言葉は、「急転直下」とは違い「何か目的を達成する」という意味は含まれていません。完全一致ではないことには注意してください。もし、例文から四字熟語を選ばせる問題が出題されたら、よく文章を確認して選択しましょう。
同様の意味で「紫電一閃(しでんいっせん)」という四字熟語もあります。「紫電」も、電光や鋭い光を意味する言葉で、「光芒一閃」と同じ意味の四字熟語です。合わせて押さえておきましょう。
序盤から終盤までずっと拮抗していた試合は、ラスト五分で勝負が決まる、光芒一閃の決着劇となった。
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