この記事では「急転直下」について解説する。

端的に言えば「急転直下」の意味は「事態が急に変化すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「急転直下」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「急転直下」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「急転直下(きゅうてんちょっか)」の意味や使い方を見ていきましょう。

「急転直下」の意味は?

「急転直下」には、次のような意味があります。

事態が急転して、速やかに解決や結末に向かうこと。「事態は急転直下解決した」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「急転直下」

言葉の意味を分解すると、「急転」は「事態や状況が急に変わること」。「直下」は「すぐした、ました。まっすぐに下ること」。合わせて、「ものごとの状態が急に変化して、解決や決定に近づいていくこと」となります。

「直下」は、「直下型地震」などのように「真下」という名詞の意味が思い浮かべやすいですが、「下がる、下る(くだる)」という動詞の意味ももっていることがわかりますね。

「年代が下る」と言った場合は、「時勢が移る、変わる」ということですから、ここに変化や解決というニュアンスが含まれていると考えられます。

下方向へ、ということで悪い意味を想像するかもしれませんが必ずしもそうではありません。解決や決定など何か目的となる動きがあるところがポイントです。

「事態が急転する」という言い方もありますが、ここには「解決する」という意味合いは含まれていませんね。「急転直下」と、四字熟語で使われる場合に「解決や結末に向かう」というニュアンスをもつことに気を付けましょう。

「急転直下」の使い方・例文

それでは「急転直下」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「急転直下」の類義語は?違いは?」を解説!/

・突然顧問の先生が辞めてしまって部活動の存続が危ぶまれたが、校長先生が代理人に立ってくれたおかげで、急転直下存続が決まった。

・長年、未解決事件として扱われていたあの事件だが、別件で逮捕された犯人の自白によって急転直下の解決をした。

・進路が希望通りに決まりそうだったのだが、学校側の不手際で急転直下、取りやめになってしまった。

物事が急に展開する、別の動きを見せる」イメージが伝わるでしょうか。

ただ単に、急な出来事が起こるという意味では使えません。「晴れていたのに、急転直下、雨が降ってきた」とは一見言えそうですが、言葉の意味からは誤った使い方となります。注意しましょう。

また、「解決する」という意味を含むため、辞書によっては「良い意味でのみ使う」という紹介をされているものもありました。現在では、悪い意味の場合に使用しても問題はないようです。

例文の三番目は、あえて悪い意味で使うものも紹介しました。この場合は解決ではありませんが、進んでいた物事が別の結果に向かうということになっています。

読解問題などでこの四字熟語が使われていた場合には、どんな結果に向かっているかに注意したいですね。

「急転直下」の類義語は?違いは?

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「急転直下」の類義語には「光芒一閃」が挙げられます。

「光芒一閃」

「光芒一閃(こうぼういっせん)」は「状況が一気に変わること」を意味する四字熟語です。

「光芒」は尾を引いてすじのように見える光のこと。「一閃」はピカッと光ること。さっと光るイメージで、状況がそのように変わるという意味になりますね。

ただしこの言葉は、「急転直下」とは違い「何か目的を達成する」という意味は含まれていません。完全一致ではないことには注意してください。もし、例文から四字熟語を選ばせる問題が出題されたら、よく文章を確認して選択しましょう。

同様の意味で「紫電一閃(しでんいっせん)」という四字熟語もあります。「紫電」も、電光や鋭い光を意味する言葉で、「光芒一閃」と同じ意味の四字熟語です。合わせて押さえておきましょう。

序盤から終盤までずっと拮抗していた試合は、ラスト五分で勝負が決まる、光芒一閃の決着劇となった。

\次のページで「「急転直下」の対義語は?」を解説!/

「急転直下」の対義語は?

「急転直下」の対義語は「千古不易」が考えられます。似た漢字を使用した四字熟語が他にも数多くありますから、漢字の間違いに注意しましょう。

「千古不易」

「千古不易(せんこふえき)」は、「永遠に、ずっと変わらないこと」を意味します。急に変わるという意味の「急転直下」とは反対ですね。

「千古」は「遠い昔、太古」などの意味から「永遠、永久」という意味でも使われます。

「不易」は「易」が「変えること、改めること」を意味し、「変易(へんえき)」などの熟語も。馴染みのある単語では、「貿易(ぼうえき)」が挙げられるでしょうか。これには「物と物をとりかえること」の意味があるのです。

他にも、「万古不易(ばんこふえき)」や「千古不変(せんこふへん)」「永久不変(えいきゅうふへん)」などなど、同じ意味で似た漢字の四字熟語がたくさんあります。興味がある人はぜひ調べてみましょう。数の多さにきっと驚きますよ。

昔の人たちも、永遠に変わらないものについて思いを馳せていたのかもしれませんね。

「急転直下」の英訳は?

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「急転直下」の英語訳には、「suddenly」を使用するのがいいでしょう。完全な英訳ではありませんので、使い方も合わせてご紹介します。

「suddenly」

「suddenly」は「急に」という意味のみ持っている副詞です。「急転直下」という言葉には、「急に」に加えて「解決する」という話の流れがあるため、完全な一致にはなりません。

そのため英語で表現する場合は、「急に」に加えて「どうなったか」をそれぞれ言い表す必要があります。

日本語訳や文脈に合わせて、解決なら「settle」や「resolve」、変化なら「change」や「turn」などを使いましょう。

The matter was suddenly resolved.
事件は急転直下の解決をした。

\次のページで「「急転直下」を使いこなそう」を解説!/

「急転直下」を使いこなそう

この記事では「急転直下」の意味・使い方・類語などを説明しました。

私たちが耳にするとしたら、やはりニュースなどで、長い間の未解決事件が解決に向かった時などでしょうか。「下に」「転がる」という単語が使われているため、悪い意味に使われるようなイメージもありましたが、皆さんはいかがでしょうか?

もし日常で見かけた場合、どんな変化があったのか注目したいところですね。読解問題で使われた場合は、状況の変化を伴いますから、問題にもなりやすい箇所といえます。こちらも意識しておきましょう。

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【四字熟語】「急転直下」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

この記事では「急転直下」について解説する。

端的に言えば「急転直下」の意味は「事態が急に変化すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「急転直下」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。
国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「急転直下」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「急転直下(きゅうてんちょっか)」の意味や使い方を見ていきましょう。

「急転直下」の意味は?

「急転直下」には、次のような意味があります。

事態が急転して、速やかに解決や結末に向かうこと。「事態は急転直下解決した」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「急転直下」

言葉の意味を分解すると、「急転」は「事態や状況が急に変わること」。「直下」は「すぐした、ました。まっすぐに下ること」。合わせて、「ものごとの状態が急に変化して、解決や決定に近づいていくこと」となります。

「直下」は、「直下型地震」などのように「真下」という名詞の意味が思い浮かべやすいですが、「下がる、下る(くだる)」という動詞の意味ももっていることがわかりますね。

「年代が下る」と言った場合は、「時勢が移る、変わる」ということですから、ここに変化や解決というニュアンスが含まれていると考えられます。

下方向へ、ということで悪い意味を想像するかもしれませんが必ずしもそうではありません。解決や決定など何か目的となる動きがあるところがポイントです。

「事態が急転する」という言い方もありますが、ここには「解決する」という意味合いは含まれていませんね。「急転直下」と、四字熟語で使われる場合に「解決や結末に向かう」というニュアンスをもつことに気を付けましょう。

「急転直下」の使い方・例文

それでは「急転直下」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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