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フランスにルネサンスを持ち込んだ「フランソワ1世」をわかりやすく歴女が解説

カンブレーの和約とは
貴婦人の和約ともいわれ、1529年、コニャック同盟戦争の当事者の神聖ローマ皇帝カール5世とフランソワ1世が犬猿の仲で会見を嫌がったため、カール5世の叔母で育ての親でもあるネーデルランド総督のマルグリット大公女(マクシミリアン皇帝の娘)と、フランソワ1世の母ルイーズ・ド・サヴォワがフランスの都市カンブレーで交渉を行いました

この女性たちはマルグリットがルイーズの弟の未亡人だったため義理の姉妹でもありましたが、交渉は厳しいやり取りになって、条約の内容は1526年のマドリード条約をほぼ踏襲する形となり、またマドリードで人質となっていたフランソワ1世の2人の息子のフランソワとアンリが、200万エキュの身代金と引き換えに解放、そしてフランソワ1世はカール5世の姉エレオノールと結婚することなどを協定。

2-7、フランソワ1世の息子アンリとカトリーヌ・ド・メディシス政略結婚

フィレンツェのメディチ家のロレンツォ・デ・メディチは、フランソワ1世の肝入りで同盟の一環としてブローニュ・オーヴェルニュ伯ジャン・ド・ラ・トゥールの娘マドレーヌと結婚し、生まれたのがカトリーヌ・ド・メディシスでした。

カトリーヌが生まれてすぐに両親が亡くなったため、フランソワ1世は後見人を申し出たが、カトリーヌの従兄であるローマ教皇レオ10世が断ったという経過があったそう。そして1533年初め、フランソワ1世は次男オルレアン公アンリとカトリーヌの縁談を持ちかけるとメディチ家出身で遠縁の教皇クレメンス7世は同意。このとき、メディチ家とフランス王家との結婚は不釣り合いと反対意見もあったが、カトリーヌの母方の血統を持ち出してフランソワ1世に結婚の正当性を説いたのが、のちにアンリの愛人となるディアーヌ・ド・ポワティエだったんですね。

アンリとカトリーヌの結婚式は派手な装飾や贈答品、教皇の司式で1533年10月28日にマルセイユで挙行されました。

2-8、フランソワ1世、アメリカ大陸に進出

1534年4月、フランソワ1世はスペインがコルテスを派遣してアラスカを征服したのに刺激を受け、カルティエを船長とする船団を新大陸に派遣しました。カルティエは数度の航海で、ラブラドル半島、セントローレンス川などを発見して、フランス領カナダへの道を開きました。

またフランソワ1世は1535年に、オスマン帝国のスレイマン1世と手を結んだので、オスマン帝国がフランスに与えたとされる通商特権であるカピチュレーションを認められたとの説もあるが、疑問視されているそう。

3-1、フランソワ1世、文化面での功績

フランソワ1世はたびたびイタリア侵攻をしたせいか、イタリアの洗練された文化と芸術に強く憧れ、フランスへルネサンス文化を持ち込み、保護したので、文化面の功績をご紹介しますね。

3-2、コラージュ・ド・フランスの基礎を築く

1530年フランソワ1世は人文主義者の勧告をいれ、ラテン語、ヘブライ語、ギリシア語の学者6名からの「王立教授団」をパリに設置しました。以後、この王立教授団はパリ大学神学部に対抗する人文主義者の集まりとなり、変遷を経て19世紀の王政復古のときにコラージュ・ド・フランスとなって現代に至っているそうです。

3-3、フランソワ1世、レオナルド・ダ・ヴィンチを招聘

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フランソワ1世は、ダ・ヴィンチの作った機械仕掛けの獅子に感銘を受け、ダ・ヴィンチをロワール渓谷に招待したのち、ダ・ヴィンチは、フランソワ1世の宮廷のあるアンボワーズ城敷地内のクロ・リュセ城で暮らしました。

ダ・ヴィンチはクロ・リュセ城で最晩年の3年をここで過ごし、ダ・ヴィンチを「父」と呼んだフランソワ1世に地下道から会いに行ったということなんですね。そしてダ・ヴィンチがイタリアからフランスへ持ち込み、生涯手放さなかった「モナ・リザ」「聖アンナと聖母子」「洗礼者ヨハネ」の3つの絵画は、1519年、67歳でダ・ヴィンチが亡くなった後、フランス王室に受け継がれ、宮殿に飾られることに。

また、フランシス1世はロワール地方のロモランタンを理想的なフランスの首都にするために、ダ・ヴィンチに設計を依頼、運河や王宮、庭園、水車小屋、灌漑農地、下水道、近郊都市の建設を含んだ壮大な設計図が出来たものの、ダ・ヴィンチの死で実現せずじまいに。

また、シャンボール城はダ・ヴィンチが亡くなった年に建設が開始されたのですが、ダ・ヴィンチ研究者によれば、オリジナルの設計図は未発見ながら、そこかしこにダ・ヴィンチらしさが見られるということです。フランソワ1世はほかにもロッソ・フィオレンティーノらの芸術家をイタリアから招聘して、フォンテーヌブロー宮殿、ルーブル宮殿などのルネサンス様式の宮殿を建設

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