牛乳に白い膜?「ラムスデン現象」って何?現役講師がわかりやすく解説
電子レンジをつかう
食品だけでなく、飲み物などの液体も加熱することができる電子レンジ。牛乳の加熱にも、もちろん使用できます。
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電子レンジはマイクロ波によって液体中の水分子を振動させることで加熱します。鍋で加熱する時と違い、液体全体を一気に温めることができるため、牛乳の膜ができにくいんです。
さらに、牛乳を2回に分けて温めると、より膜ができにくくなるといわれています。温め大量の半分くらいの牛乳を先に少し温め、一度取り出して残りの半分を加え、さらに電子レンジで加熱するのだそうです。途中で牛乳を追加するときに撹拌されるのですね。
ただし、この方法にも注意事項があります。牛乳などの液体を電子レンジで加熱する際、やりすぎてしまうと突沸がおき、牛乳がレンジ中に飛び散ってしまう恐れがあるのです。突沸はいわば小さな水蒸気爆発。とても危なく、あわててやけどなどをしてしまいかねません。
電子レンジでの牛乳の温めは、様子を見ながら少しずつ行うのがよいでしょう。
身近に潜む化学を感じて!
身近な現象である「牛乳の膜」には、ラムスデン現象という素敵な名前と、化学的な仕組みが隠れているんですね。
昔から言われていることですが、なかなか眠ることができないようなときには、ホットミルクを飲むのがオススメです。胃をあたためてくれるのに加え、牛乳中に含まれるトリプトファンやメラトニンという成分が、質の良い眠りに導いてくれると考えられています。
勉強しすぎて目がさえてしまっているとき、ぜひ一杯のホットミルクをためしてみましょう。その際には、ぜひラムスデン現象のことも思い出してみてください。