
「turn adrift」
turn adrift は「人を追い出す、路頭に迷わせる」ことを意味する英語のイディオム(熟語)です。
turn は日本語でも「ターンする」というように、方向などを変える・回るという意味が一般的には知られていますが、そこから転じて「状況を変化させる」という意味ももっています。そしてadrift は「目的を失っている」「(船などが)さまよっている」状態を表す形容詞・副詞です。これらの単語が結びついた turn adrift は、行き場を失わせて「路頭に迷わせる」という意味合いで使われています。
ちなみに受動態 be turned adrift として「路頭に迷う」状態をより的確に表すことも可能です。
She was about to be turned adrift.
彼女は路頭に迷うところだった。
「路頭に迷う」を使いこなそう
この記事では「路頭に迷う」の意味・使い方・類語などを説明しました。
「路頭に迷う」は「生活手段を失って困っている」と単純に言い換えることができます。後者の方がむしろシンプルで伝わりやすいかもしれません。しかし、あえて慣用句を使うことで読み手(聞き手)に状況を想像させることができ、そのイメージを限定させないことが慣用句や比喩表現の魅力なのではないかと筆者は感じています。何事も端的で簡単なことが良しとされる傾向にある世の中ですが、少し婉曲した伝え方が時に切実さやリアルを表現することもあると思うのです。
「路頭に迷う」は気軽に使える表現ではなく、非常に困窮した状態において用いられます。ニュースなどで目にした際は、今回学んだニュアンスを思い出してみてくださいね。