
「途方に暮れる」
「途方に暮れる(とほうにくれる)」は手段や方法がなくどうしようもない状態を表す慣用句です。
そもそも「途方」とは手段や方法のことをいいます。物事に取り組む際や、悩み事を解決する場合には何らかの途方が必要となるはずです。それらがない状態というのは、困り果てている上にトンネルの先の光が全く見えないようなものでしょう。
「路頭に迷う」との違いは、「生活・暮らし」のためであると限定されていない点です。「路頭に迷う」は生活手段がない状態ですが、「途方に暮れる」はより多くの物事に対しての手段がないこと、またその心理状態を表しますので注意しましょう。
「お先真っ暗」
「お先真っ暗(おさきまっくら)」は将来の見通しが全くつかないことを表す慣用句です。
将来性がなく、希望を感じられない物事に対して「お先真っ暗」であるということができます。たとえば不況などで現状が不安定でも、せめて少しでも回復の兆しが感じられれば精神的に持ちこたえて頑張ることができるかもしれません。しかし、その望みすら見えないという絶望的な状態を「お先真っ暗」といいます。
ちなみに「お先(御先)」とは将来や前途(目的地への道のりや今後の行く先)のことです。「真っ暗」には文字通り「非常に暗いこと」という意味がありますが、ここではもう一つの「全く先の見通しがたたず希望がない」という意味が適切でしょう。
「路頭に迷う」の英訳は?

最後に「路頭に迷う」の英語表現を確認しましょう。
(日本語の「路頭に迷う」はその言葉の様子から比喩的に生活の困窮を表す慣用句であるため、この項では「困っている」状態を表す英語表現を中心にご紹介します。)
「be at a loss」
be at a loss は「困り果てる」状態を表す英語表現です。
物事を行うにあたり、何をすべきかが分からずに困っている様子を意味することから、手段や方法を失った「途方に暮れる」に近いニュアンスをもっているといえます。
I was at a loss for words.
何と言ったら良いのか分からなかった(言葉に詰まって困り果てた)。
He was at a loss what to do because he lost his house, family, and job.
彼は家、家族、仕事を失い路頭に迷った(何をすべきかが分からなかった)。
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