この記事では「千秋楽」について解説する。

端的に言えば千秋楽の意味は「催し物の最終日」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗を呼んです。一緒に「千秋楽」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/梨子なしこ太朗吉

本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をつなぐことを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。

「千秋楽」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「千秋楽」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「千秋楽」の意味は?

「千秋楽」には、次のような意味があります。

1.相撲・芝居などの興行の最後の日。千歳楽。らく。

2.謡曲「高砂」の終わりの部分。婚礼のときなどの祝言として謡われる。

3.雅楽の曲の名の一。盤渉(ばんしき)調の曲で舞がない。千歳楽。

出典:三省堂 大辞林 第三版

「千秋楽」という言葉は、現代では上記の1.「相撲・芝居などの興行の最後の日」という意味で使われることが多いですね。相撲でも、ロングランの演劇や歌舞伎でも、日がたつにつれてだんだんと盛り上がっていって、最終日「千秋楽」には大勢のお客さんがつめかけて興奮が最高潮になる、というのが好ましいものです。

「千秋楽」の語源は?

次に「千秋楽」の語源を確認しておきましょう。

もともと「千秋楽」は、上記3.の「雅楽の曲」の名前でした。かつて、仏教での説法や供養のための集まり「法会(ほうえ)」などで、「千秋楽」という名の雅楽の曲が最後に演奏されたので、そこから興行における最後の演目や最終日が「千秋楽」と言われるようになったのです。

「千秋楽」の「楽」という言葉、これは音楽をあらわす「楽」だったのですね。

\次のページで「「千秋楽」の使い方・例文」を解説!/

「千秋楽」の使い方・例文

「千秋楽」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

この演劇の公演も、初日の開幕の時には役者みんなの初々しい演技で始まったが、千秋楽には堂々たる芝居でお客さんの大きな拍手をもらって終えることができた。

大相撲千秋楽の結びの一番は横綱同士の意地のぶつかり合いで、激しくも美しい相撲となった。

先日の親戚の結婚式では、謡曲「高砂」の最後にめでたくも「千秋楽」が謡われた。

雅楽「千秋楽」は、舞がなく曲のみだが、それがまたよいものである。

現代では、謡曲や雅楽の「千秋楽」よりも、相撲や芝居の最終日としての「千秋楽」の方が使われる頻度は高いですが、雅楽の「越天楽(えてんらく)」と同じように、「楽」の字が「音楽」をあらわしていることは覚えておいてもよいでしょう

「千秋楽」の類義語は?違いは?

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「千秋楽」と似た意味を持つ言葉としては「大団円」「フィナーレ」が挙げられます。

「大団円」

「大団円」は、「だいだんえん」と読み、物語が大詰めを迎えてすべて丸くおさまるという意味になります。

千秋楽は一続きの公演の最終日を表しているだけなのに対して、大団円は、最後にすべてがまとまって、上首尾に事が終わるという意味なので、公演最終日の「千秋楽」がうまく終わらなければ「大団円」とはなりません。

それでも、千秋楽という言葉には、公演の最後が華やかにめでたく終わるという意味もこめられているとも言えます。まったく同じ意味ではありませんが、類語であるとは言えましょう。

\次のページで「「フィナーレ」」を解説!/

「フィナーレ」

「フィナーレ」は、英語などの「finale」を日本語にしたものです。

主に芝居や音楽の最後の場面を表しますが、公演が何日も続く場合には、最終日をフィナーレということもできます。

音楽の最後の部分をFinale(フィナーレ)という場合には、華やかであったり、大詰めで加速して盛り上がるのが一般的なようです。トランペットが高らかに激しく追い込むように鳴り響く、というところでしょうか。

「千秋楽」の対義語は?

「千秋楽」が公演の最後の日だとすれば、その対義語は、最初の日ということになります。

「初日」

最初の日を初日というのですから、これは特別な言葉ではありませんが、例えば大相撲の公演では、第1日目のことを「初日」と言っています。これは芝居の公演でも同様で、公演最初の日は、「初日」です。

「幕開き」

1.芝居で、幕のあくこと。また、その場面。開幕。「芝居の―を待つ」⇔幕切れ。

2.物事の始まり。まくあけ。「行楽シーズンの―」

出典:goo国語辞書

「幕開き」(「幕開け」とも言う)も、最初の日や初日と同じ意味で使われることがあります。幕が開く、というのは、劇場などで芝居が始まる前には閉じている大きな幕が、芝居の始まりと同時に開くことを指しており、転じて、何かがこれから始まるというときに、「〇〇の幕開け」と言ったりするのですね。

例えば、「今シーズンのプロ野球の幕開けは、華々しいホームラン合戦の一日となった」というふうに使われます。

「千秋楽」の英訳は?

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最後に、「千秋楽」を英語で表現するとどうなるのか確認しておきましょう。

\次のページで「「the last day」」を解説!/

「the last day」

「the last day」は、最後の日、という意味になります。

It is the last day of Japanese Sumo wrestling championship series today.
(今日は大相撲の千秋楽です。)

「finale」

「finale」は、芝居などの最後の場面や、公演の最後の日を表します。

The finale of this high school’s festival is usually very exciting.
(この高校の文化祭は、いつも千秋楽にとても盛り上がります。)

「千秋楽」を使いこなそう

この記事では「千秋楽」の意味・使い方・類語などを説明しました。千秋楽は元々は日本の昔からの音楽の曲名で、そこから転じて「最終日」を表すようになりましたが、単なる最終日ではありません。

芝居の最終日は、公演が終わってしまうさびしさもありますし、大団円の落ち着きやfinale(フィナーレ)としての華やかさもあるでしょう。

大相撲の千秋楽では、多くの場合、その日に優勝者が決まりますし、横綱や大関は在位を賭けて厳しい相撲をとる日となりますので、場内は大興奮となるものです。

そしてそこには、日本古来の伝統芸能と結びついたある種の日本的、伝統的な感覚が宿っているように思えます。

芝居やイベントなどでもちょっと粋な調子で「ちょっくら楽日に行ってくらあ」とキメてみたいものですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「千秋楽」の意味や使い方は?例文や類語を教材系ライターがわかりやすく解説!

この記事では「千秋楽」について解説する。

端的に言えば千秋楽の意味は「催し物の最終日」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗を呼んです。一緒に「千秋楽」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/梨子なしこ太朗吉

本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をつなぐことを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。

「千秋楽」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「千秋楽」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「千秋楽」の意味は?

「千秋楽」には、次のような意味があります。

1.相撲・芝居などの興行の最後の日。千歳楽。らく。

2.謡曲「高砂」の終わりの部分。婚礼のときなどの祝言として謡われる。

3.雅楽の曲の名の一。盤渉(ばんしき)調の曲で舞がない。千歳楽。

出典:三省堂 大辞林 第三版

「千秋楽」という言葉は、現代では上記の1.「相撲・芝居などの興行の最後の日」という意味で使われることが多いですね。相撲でも、ロングランの演劇や歌舞伎でも、日がたつにつれてだんだんと盛り上がっていって、最終日「千秋楽」には大勢のお客さんがつめかけて興奮が最高潮になる、というのが好ましいものです。

「千秋楽」の語源は?

次に「千秋楽」の語源を確認しておきましょう。

もともと「千秋楽」は、上記3.の「雅楽の曲」の名前でした。かつて、仏教での説法や供養のための集まり「法会(ほうえ)」などで、「千秋楽」という名の雅楽の曲が最後に演奏されたので、そこから興行における最後の演目や最終日が「千秋楽」と言われるようになったのです。

「千秋楽」の「楽」という言葉、これは音楽をあらわす「楽」だったのですね。

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