
「病は気から」の使い方は?2つのパターン

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「病は気から」はポジティブな意味合いで使われる場合と、ネガティブな意味合いで使われる場合があります。それぞれの使われ方を例文とともに確認していきましょう。
ポジティブなパターン
まずはポジティブなパターンから見ていきましょう。例文は以下の通りです。
1.中田さんは白血病で入院した。ただ、毎日病気のことを考えず前向きに過ごしていたという。すると驚異的な速さで回復し退院できた。まさに、病は気からだ。
2.病は気からと言うけれど、風邪気味で咳が出るんだったらマスクぐらいつけて出勤しようよ。
”ポジティブなパターン”では、病気を楽観的に捉えている場合に「病は気から」を使用しているものをご紹介しました。
例文1では、”中田さんが白血病で入院しても、常に前向きに心を持ち続けたことにより、驚異的な速さで回復した”ことについて「病は気から」を用いて表現しています。どんなに大きな病気でも、気持ちだけは前を向いて生きていくことが、やはり大切なのかもしれません。
例文2では、”風邪気味でも全く気にせずに過ごしている”ことに対して、「病は気から」を用いて表現しています。ただ、本人にとって多少の咳が気にならなくても、周りは気になるものです。心の持ちように関係なく、風邪気味の時はマスクをつけて外出しましょう。
ネガティブなパターン
続いて、ネガティブなパターンを見ていきましょう。例文は以下の通りです。
3.病は気からというし、心配ばっかりしていないでおいしいものでも出前とろうよ!
4.石井さんは妊娠中にインフルエンザに感染し、その後心配の余りノイローゼになってしまった。病は気から。考えすぎは良くないよ…。
”ネガティブなパターン”では、病気を悲観的に捉えている場合に「病は気から」を使用しているものをご紹介しました。
例文3では、”病気になって、心配ばかりしているのは良くないよ”という文脈で、「病は気から」を使用しています。やはり病気を心配しすぎると、それだけで元気を失ってしまいますからね。ほどほどにしましょう。
例文4では、”妊娠中に感染したインフルエンザについて、不安になりすぎたあまりにノイローゼになってしまった”という文脈で、「病は気から」を使用しています。ある病気への心配が、別の病気や心身の不調を呼び込んでしまった例です。心配のし過ぎはやはりよくないですね。
「病は気から」の類義語は?
「病は気から」と同じような意味を表す表現は、他にも日本語にあります。今回ご紹介するのは「心配は身の毒」「万の病は心から」です。意味や違いを確認していきましょう。
「心配は身の毒」心配は身体にとっても毒
「心配は身の毒」は、「心配は身体にとっても良くない影響がある」という意味のことわざです。さきほどご紹介した、「病は気から」のネガティブなパターンと意味は同じですね。よって、ポジティブな意味合いでは使用できません。
「万の病は心から」病気は心のもち方次第
「万の病は心から」は「よろずのやまいはこころから」と読みます。「病気は心のもち方次第で良くもなり悪くもなる」という意味です。よって、「病は気から」と意味やニュアンスに違いはありません。おそらく、語源も「病は気から」と共通でしょう。ポジティブな意味合いでも、ネガティブな意味合いでも使用できます。
「病は気から」は科学的根拠あり!?

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ここまで「病は気から」について、意味や語源、類義語を紹介してきました。しかし、実はこの「病は気から」という言葉、ただの迷信や古代からの言い伝えではなく、実際に気の持ち方が病状を左右することはあるのではと考えられています。
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