この記事では「嘘も方便」について解説する。

端的に言えば嘘も方便の意味は「嘘が必要となる場合もある」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「嘘も方便」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「嘘も方便」の意味や語源・使い方まとめ

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「嘘も方便」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。しかし、正しい意味や使い方をきちんと理解している人は少ないのです。

そこでまずは、「嘘も方便」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「嘘も方便」の意味は?

「嘘も方便」という言葉は、普段何気なく使える表現ですよね。

例えば、子どもに言う「野菜を食べないと、大きくなれない!」というセリフ。間違えではありませんが、正しいという訳でもありませんよね。このように悪気もなく、罪ではない嘘のことを差すのです。

「嘘も方便」には、次のような意味があります。

1.事をうまく運ぶためには、一つの手段として時には噓が必要なこともある。

出典:weblio辞典「嘘も方便」

「嘘も方便」は、時には嘘も必要だという意味です。「大きな事を成し遂げるためには、小さな非行は容認される」というニュアンスも持っています。言い換えれば、目標を達成するための効率的な手段として、嘘が肯定させているという訳です。

ただし、「嘘も方便」と使うからには、その嘘は相手にとって利益のあるものという前提があります。相手の不利益になるような嘘に対して、「嘘も方便」とは言いませんよね。

大きな目標を達成するため、相手の利益になるような小さな嘘ならば許されるという意味があります。

「嘘も方便」の語源は?

次に「嘘も方便」の語源を確認しておきましょう。

「方便」とは、仏教由来の言葉と言われています。「仏でも衆生を教え導くためには、嘘をつくことがある」という伝えがもとになっているのです。普段、嘘は真実でないことなので、良くないとされています。一方、「方便」という言葉には、正しいことでもないが嘘でもないことという意味があるのです。そのため、方便は仏の般若を得るために必要な手段として考えられていました。

また、仏教の「有相方便(うそうほうべん)」という言葉が由来とも言われています。形あるものという意味の「有相」で、形を持たないものは「無相」と言われるのです。仏は形のない真理を伝えるため、人間が理解することは難しいとされています。そのため、絵や言葉など見える形にしました。これは真実とは違うが、真実に近いという「方便」にあたります。

どちらの節が正しいかは、明確になっていません。だた、このような仏教の背景から、「嘘も方便」という言葉が生まれたと言われています。

\次のページで「「嘘も方便」の使い方・例文」を解説!/

「嘘も方便」の使い方・例文

「嘘も方便」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.女性は褒められると綺麗になる。まさに、嘘も方便だ。
2.甘いものは好きではないが、ケーキを頂いたので喜んで「ありがとう」とお礼を言った。嘘も方便ですね。
3.母からの電話で、「元気?」と聞かれた。風を引いていたが、嘘も方便で「元気だよ」と伝えた。

例文からもわかるように、「嘘も方便」は相手にとって利益になることを”嘘”として伝えています。また、嘘をつくことで、その場面を円滑に進めることが出来るのです。

真実だけを伝えることが良い事とは限りません。ケーキをくれた方に「甘いものは苦手なので。」と言ってしまえば、せっかくの相手の好意を無駄にしてしまいます。また、相手に不快な思いをさせてしまう可能性もありますよね。

家族や友人、恋人、ビジネス関係などさまざまな相手と上手く関係を保つためには、時には嘘も必要になるのでしょう。

「嘘も方便」の類義語は?違いは?

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「嘘も方便」の類義語としては、「嘘つき世渡り上手」、「嘘は世の宝」、「嘘も重宝」、「嘘も追従も世渡り」、「嘘も誠も話の手管」、「嘘をつかねば仏になれぬ」などがあります。

今回は「嘘は世の宝」という言葉の意味や使い方、嘘も方便との違いについて見ていきましょう。

「嘘は世の宝」

「嘘は世の宝」は、「嘘も方便」とほとんど同じ意味を持ちます。そのため、「時には、嘘をつくことも必要だ」という意味です。

具体的には、「娘のことを思えば、嘘は世の宝だ」だとと用います。

「嘘は世の宝」よりも、「嘘も方便」の方が広く知られていますね。2つの表現はほとんど同じ意味を持っているため、「嘘も方便」という表現が多く使われているのです。

\次のページで「「嘘も方便」の対義語は?」を解説!/

「嘘も方便」の対義語は?

「嘘も方便」では、嘘を良い事として捉えていました。一方で、嘘を悪いことだと表現する言葉もあり、それが「嘘も方便」の対義語になります。

具体的には、「嘘つきは泥棒の始まり」、「嘘つきは盗人の苗代」、「嘘と盗みは互いに隣同士」、「嘘は盗人の始まり」、「嘘は盗みの基」、「嘘を言うと閻魔様に舌を抜かれる」、「嘘を言えば地獄へ行く」、「嘘をつくと腹に竹が生える」、「正直は一生の宝」などがありますよ。

ここでは、よく知られている「嘘つきは泥棒の始まり」という表現について見ていきましょう。

「嘘つきは泥棒の始まり」

「嘘つきは泥棒の始まり」は、子どもの頃からよく言われる言葉ですよね。「罪悪感もなく嘘をついていると、泥棒も平気でするようになってしまう」や「嘘をつくことは悪い道の第一歩だ」というニュアンスがあります。ここでは、嘘は悪いことだと認識され、嘘をついてはいけないという意味を表しているのです。

具体的には、「嘘つきは泥棒の始まり。だから、小さな嘘でもついてはいけないよ!」というように用いられます。

相手のためにつく嘘は「嘘も方便」として、良い意味で捉えられていましたね。一方、自分のためにつく嘘や、相手の利益にならない嘘は、悪いものとして考えられるのです。そういった嘘には、「噓つきは泥棒の始まり」という表現が使われます。

「嘘も方便」の英訳は?

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「嘘も方便」は、英語でどのように表せるのでしょうか。英訳を見ていきましょう。

「It's sometimes necessary to stretch the truth. 」

英訳を考える際には、「嘘も方便」の意味をもとに日本語訳を変える必要があります。具体的には、「目的を達成するために、嘘をつくことも時には必要だ」という文章です。これを英語に直すと、「It's sometimes necessary to stretch the truth. 」という表現になります。

また、「It's sometimes necessary to tell a lie in order to achieve the goal. 」という表現でも同じ意味を表せますよ。

英語訳を考える際には、日本語の意味をよく考えて文章を作ってみてくださいね。

「嘘も方便」を使いこなそう

この記事では「嘘も方便」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「嘘も方便」は、よく聞く、よく使う表現ですね。意味や例文、語源までしっかりと理解することで、正しく使うことができますよ。嘘は良くないですが、相手の利益になる場合や相手を思いやる場合には嘘も必要ということ。ぜひ使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「嘘も方便」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「嘘も方便」について解説する。

端的に言えば嘘も方便の意味は「嘘が必要となる場合もある」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「嘘も方便」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「嘘も方便」の意味や語源・使い方まとめ

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「嘘も方便」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。しかし、正しい意味や使い方をきちんと理解している人は少ないのです。

そこでまずは、「嘘も方便」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「嘘も方便」の意味は?

「嘘も方便」という言葉は、普段何気なく使える表現ですよね。

例えば、子どもに言う「野菜を食べないと、大きくなれない!」というセリフ。間違えではありませんが、正しいという訳でもありませんよね。このように悪気もなく、罪ではない嘘のことを差すのです。

「嘘も方便」には、次のような意味があります。

1.事をうまく運ぶためには、一つの手段として時には噓が必要なこともある。

出典:weblio辞典「嘘も方便」

「嘘も方便」は、時には嘘も必要だという意味です。「大きな事を成し遂げるためには、小さな非行は容認される」というニュアンスも持っています。言い換えれば、目標を達成するための効率的な手段として、嘘が肯定させているという訳です。

ただし、「嘘も方便」と使うからには、その嘘は相手にとって利益のあるものという前提があります。相手の不利益になるような嘘に対して、「嘘も方便」とは言いませんよね。

大きな目標を達成するため、相手の利益になるような小さな嘘ならば許されるという意味があります。

「嘘も方便」の語源は?

次に「嘘も方便」の語源を確認しておきましょう。

「方便」とは、仏教由来の言葉と言われています。「仏でも衆生を教え導くためには、嘘をつくことがある」という伝えがもとになっているのです。普段、嘘は真実でないことなので、良くないとされています。一方、「方便」という言葉には、正しいことでもないが嘘でもないことという意味があるのです。そのため、方便は仏の般若を得るために必要な手段として考えられていました。

また、仏教の「有相方便(うそうほうべん)」という言葉が由来とも言われています。形あるものという意味の「有相」で、形を持たないものは「無相」と言われるのです。仏は形のない真理を伝えるため、人間が理解することは難しいとされています。そのため、絵や言葉など見える形にしました。これは真実とは違うが、真実に近いという「方便」にあたります。

どちらの節が正しいかは、明確になっていません。だた、このような仏教の背景から、「嘘も方便」という言葉が生まれたと言われています。

\次のページで「「嘘も方便」の使い方・例文」を解説!/

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