この記事では「牛飲馬食」について解説する。

端的に言えば牛飲馬食の意味は「むやみに一度に多量の飲食をすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「牛飲馬食」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「牛飲馬食」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「牛飲馬食」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「ぎゅういんばしょく」です。漢字を見ていると、なんとなく意味は想像できそうですが、意味や語源などを確認していきますよ。

「牛飲馬食」の意味は?

「牛飲馬食」には、次のような意味があります。大まかな意味だけではなく、詳しく意味をチェックしておくとニュアンスまでつかむことができますよ。

1.一度に多量の酒を飲んだり、食べたりすること。

出典:四字熟語辞典(学研)

意味としては、とにかくたくさん飲み食いすることです。さらに言うと、むやみに飲み食いをしているようすを表しています。

そのため、たくさん食べて元気だねというようなプラスイメージはなく、周囲から見ると「そこまで食べる意味があるのかな?」「後先考えずに食べてお腹を壊さないかな?」「腹八分目のほうがいいのでは?」という感じでマイナスのイメージでとらえている表現です。

「牛飲馬食」の語源は?

次に「牛飲馬食」の語源を確認しておきましょう。

漢字の通り「牛が水を飲むように」「馬がまぐさを食べるように」大量に飲食するようすをイメージした四字熟語になっています。「まぐさ」とは「秣」や「蒭」、「馬草」とも書かれることもあり、牛や馬の飼料とする乾燥した草のことです。牛や馬などの家畜がむさぼり食うようすが、後先考えずにむやみに食べているようすにつながるのですね。

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「牛飲馬食」の使い方・例文

「牛飲馬食」の使い方を例文を使って見ていきましょう。意味合いだけでなく文法的な部分もチェックしながら確認していきますよ。

1.あなたが牛飲馬食しているのを見ていると、食事が消化され栄養が吸収されているか心配だ。
2.いくらお腹が空いていても、牛飲馬食をすることは健康によくない。

例文の1.も2.も、「牛飲馬食」が過ぎるとよくないという意味で使われています。いずれも、あまりに食べすぎると健康によくないということからマイナスのイメージですね。実際のところ、よいほうのイメージで使われることはありませんよ。

「牛飲馬食で」「牛飲馬食が」など助詞を伴って名詞として使うこともできますし、「牛飲馬食する」というように動詞化した使い方もできます。

「牛飲馬食」の類義語は?違いは?

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それでは、「牛飲馬食」の類義語についての説明です。ほぼ同じ意味の四字熟語を見ていきますが、それぞれにニュアンスの違いがありますよ。

「暴飲暴食」

「牛飲馬食」の類義語には、「暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)」があります。意味は、「度を越してむやみやたらに飲食すること」です。「暴」は度を越しているようすのこと、「飲」は主にお酒を飲むことを表しています。

意味合いはほぼ同じであり、使い方のほうも「暴飲暴食する」と動詞化して使うことができるので、この点でも「牛飲馬食」と同じです。また、同じくマイナスイメージのニュアンスになっていますよ。

\次のページで「「爛腸之食」」を解説!/

「爛腸之食」

もう一つの類義語には、「爛腸之食(らんちょうのしょく)」があります。意味のほうは、「たくさんのご馳走を食べて、内臓をただれさせること」です。「爛腸」は「腸などの内蔵がただれるということを表しています。

必要以上に食べるようすから、「牛飲馬食」と同じ意味で使うことができますよ。内臓がただれてしまうということですから、もちろんよくないことなのでマイナスイメージの四字熟語です。使い方としては、「爛腸之食」を名詞として単独で使われます。

「牛飲馬食」の対義語は?

次に、「牛飲馬食」の対義語についての説明です。正確に使い分けるためにも、詳しく見ていきましょう。

「一汁一菜」

「牛飲馬食」の対義語には、「一汁一菜(いちじゅういっさい)」があります。意味は、「非常に質素で粗末な食事のこと」です。「汁」は汁物のこと、「菜」はおかずのことで、それぞれ一つずつしかないことから質素な食事としています。

「牛飲馬食」とはちょうど反対の意味になっていますが、食事そのもののことを意味しており食べるところまでの意味は含まれていません。そこは少し違うところです。また、「一汁一菜の…」として使うのが一般的になっています。

「粗衣粗食」

対義語には、もう一つ「粗衣粗食(そいそしょく)」があります。意味のほうは、「貧しい食事や暮らしなど、簡素で慎ましい生活のこと」です。「粗衣」は貧しい衣服のこと、「粗食」は粗末な食事のことを表しています。

「牛飲馬食」はそのとき一回の食事についての表現ですが、「粗衣粗食」は継続的な食生活であることと衣服のことも含めた表現になっていますよ。多少の違いはありますが、状況によって対義語を選ぶといいですね。

「牛飲馬食」の英訳は?

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最後に、「牛飲馬食」の英訳について見ていきます。言語によって表現方法が違ってくることもありますが、「牛飲馬食」についてはよく似た表現がありますよ。

「drink like a fish and eat like a horse」

「牛飲馬食」の英訳には、「drink like a fish and eat like a horse」があります。直訳すると「魚のように飲み、馬のように食べる」となり、意味は「たくさん飲み食いする」です。「牛飲馬食」と比べても、「牛」の部分が「魚」に変わるほかは全く同じですね。

別の表現に「gorging and swilling」があります。「gorging」がたくさん食べること、「swilling」がたくさん飲むことを表していますよ。

\次のページで「「牛飲馬食」を使いこなそう」を解説!/

「牛飲馬食」を使いこなそう

今回の記事では「牛飲馬食」の意味・使い方・類語などを説明しました。意味としては、とにかくたくさん飲み食いすることですが、ポイントは「むやみに」たくさん食べていることです。必要以上に食べているため、褒められるよりも心配されたり非難されたりすることにつながります。

そういったことから、ニュアンスとしてはマイナスイメージになるので、使うときには要注意です。避難する意図がないのなら、使うのは避けたほうがよさそうですね。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「牛飲馬食」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「牛飲馬食」について解説する。

端的に言えば牛飲馬食の意味は「むやみに一度に多量の飲食をすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「牛飲馬食」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「牛飲馬食」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「牛飲馬食」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「ぎゅういんばしょく」です。漢字を見ていると、なんとなく意味は想像できそうですが、意味や語源などを確認していきますよ。

「牛飲馬食」の意味は?

「牛飲馬食」には、次のような意味があります。大まかな意味だけではなく、詳しく意味をチェックしておくとニュアンスまでつかむことができますよ。

1.一度に多量の酒を飲んだり、食べたりすること。

出典:四字熟語辞典(学研)

意味としては、とにかくたくさん飲み食いすることです。さらに言うと、むやみに飲み食いをしているようすを表しています。

そのため、たくさん食べて元気だねというようなプラスイメージはなく、周囲から見ると「そこまで食べる意味があるのかな?」「後先考えずに食べてお腹を壊さないかな?」「腹八分目のほうがいいのでは?」という感じでマイナスのイメージでとらえている表現です。

「牛飲馬食」の語源は?

次に「牛飲馬食」の語源を確認しておきましょう。

漢字の通り「牛が水を飲むように」「馬がまぐさを食べるように」大量に飲食するようすをイメージした四字熟語になっています。「まぐさ」とは「秣」や「蒭」、「馬草」とも書かれることもあり、牛や馬の飼料とする乾燥した草のことです。牛や馬などの家畜がむさぼり食うようすが、後先考えずにむやみに食べているようすにつながるのですね。

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