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「五倫五常」
類義語には、もう一つ「五倫五常(ごりんごじょう)」があります。「人として守るべき人間関係についての道徳のこと」という意味で、儒教に基づく考え方のことです。
「五倫」は人間関係を規律する五つの徳目のことで、父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信があります。「五常」のほうは、仁(他人への愛情)、義(人としての筋道)、礼(社会的な作法)、智(善意の判断力)、信(ことばの誠意)の五つのことを表していますよ。
「世道人心」の対義語は?
次に、「世道人心」の対義語についての説明です。それぞれの四字熟語の特徴まで見ておいて、正確に意味を把握しておきましょう。
「末法末世」
「世道人心」の対義語には、「末法末世(まっぽうまっせ)」があります。意味は、「仏教が衰え、道徳が乱れた末の世のこと」です。「末法」とは仏教が衰えて救いがたい世の中になること、「末世」は仏教が廃れた世のことを表しています。
仏教や道徳心はサービスでもエンターテイメントでもないので、各自がふさわしい考え方や能力を磨く必要があるということですね。
「風俗壊乱」
もう一つの対義語に、「風俗壊乱(ふうぞくかいらん)」があります。意味のほうは、「世の中の風俗や習慣を壊し乱すことや壊し乱れた状態のこと」です。「風俗」は風習やしきたりのこと、「壊乱」は破壊し混乱させることを表しています。
「世道人心」とは道徳に関する部分では反対の意味になりますが、「風俗壊乱」のほうは「壊し乱すこと」までを含む意味です。一方で、「世道人心」のほうも「人の心」までの意味が含まれているところは少し違いがありますね。
「世道人心」の英訳は?
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最後に、「世道人心」の英訳について見ていきましょう。言語が違うと、全く同じニュアンスでの表現は難しくなりますが、ほぼ同じ意味の表現はありますよ。
「public morals」
「世道人心」の英訳には、「public morals」があります。意味のほうは、「public(公衆の)」と「morals(道徳)」を合わせて「公衆道徳」です。公衆という言葉から、社会一般に通用するような道徳であることがわかりますね。
その他、「morals and sentiments」という表現もあります。こちらは、「sentiments(情操、気持ち)」という語が含まれており、各自の心も意味合いに含むことから、より「世道人心」に近い意味になっていますよ。
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