
端的に言えば「下手の横好き」の意味は「下手なのに、ただむやみに好きでやっていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教材や雑誌のライターを10年経験した梨子なしこ太朗を呼んです。一緒に「下手の横好き」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/梨子なしこ太朗吉
本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽雑誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。
「下手の横好き」の意味は?
「下手の横好き」には、次のような意味があります。
下手なくせに、その物事をむやみに好み、熱心なこと。
出典:goo国語辞書
例えば、歌をいくら練習してもうまくならないのに、ただ本人が好きなだけで、誰も聞いてもくれないのにいつでもまっ先に歌いたがる人がいたとしたら?「あの人、歌が上手でもないし、誰が聞いても楽しくないのに、一生懸命で、少し不思議ね」というような感覚が出てくるでしょう。
「下手の横好き」の語源は?
次に「下手の横好き」の語源を確認しておきましょう。
「下手」というのは、なにかをするのにうまくできない、役に立たないというような意味ですし、「好き」というのもそのままの意味なので、ここで問題なのは「横」ということばの意味です。
「横」には、「よこしま=正しくないこと」とか「横恋慕=夫婦や、相思相愛で恋仲の二人がいるのに、別の第三者が現れて、その二人のどちらかを好きで強引にその二人の関係に介入していくこと」など、あまりよい意味がありません。
「下手の横好き」の場合の「横」には、そこまでの強い意味、邪悪だとか不正義だとかいう意味まではないのですが、なんとなく本筋からずれたような印象をもって、ばかにして見ているような雰囲気があります。
「好き」なのはかまわないが、ちょっとずれているね、上手でもないのにただむやみに好きで、おかしいね、といった感覚ですね。
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