最初の例文は、部長は気が利いた差し入れをしたつもりなのに、細かいところまで注意が及ばず、気が利かない人と思われてしまったという意味です。切り分けて配る大変さに考えが及ばなかったようですね。
2番目の例文は、気が利く人間かどうかは伝言メモからも読み取れるという意味です。伝言メモには、電話をかけてきた人の名前や連絡先はもちろん、受けた時間、受けた人、用件、折り返しすべきなのか伝言のみなのかなど、書くことがたくさんあります。メモを受け取った人が次にどうするのかが想像できれば、気が利いたメモが書けるはずですね。
3番目の例文は、新品や高価なものでなくても、センスよくまとめれば粋に見えるということです。
「気が利く」の類義語
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「気が利く」と似たような意味を持つ言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。「細かいところまで注意が及ぶ」という意味の類義語ふたつと、「しゃれている」という意味の類義語ふたつを見ていきましょう。
「かゆい所に手が届く」:配慮が行き届く
「かゆい所に手が届く」は、「細かいところまで配慮が行き届く」という意味です。自分では手が届かないような背中のかゆい所にも手が届くというところから、すみずみまで配慮が行き届いて手抜かりがないことのたとえになりました。
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「至れり尽くせり」:配慮が行き届き申し分がない
「至れり尽くせり」は「配慮が行き届いて申し分がない」という意味です。「至れり尽くせりのサービス」という使い方をします。荘子の斉物論(せいぶつろん)に由来した言葉です。
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「乙(おつ)」:しゃれている
「乙」は「しゃれて気が利いている」という意味です。「乙」は「甲乙丙丁」の「甲」の次ですね。邦楽の用語では、「乙」は「甲(かん)」より一段低いしんみりとした渋い音のこと。そこから転じて物事の状態や趣(おもむき)などを表す言葉として使われるようになりました。
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