この記事では「四角四面」について解説する。

端的に言えば四角四面の意味は「考え方や態度が真面目すぎて、堅苦しいこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「四角四面」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「四角四面」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「四角四面」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。「四」が二回も出てくる特徴のある表現ですね。意味や語源とどうつながっているのか、詳しくチェックしていきますよ。

「四角四面」の意味は?

「四角四面」には、次のような意味があります。四角四面には、もともとの意味と転じた意味と二つあるので、それぞれの意味をじっくりと見ていきましょう。

1.真四角であること。
2.ひどくまじめで堅苦しいこと。非常にかしこまっていること。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

意味の1.については、真四角であることなので、物理的に図形が正方形であるとか、場所や建物が正方形に近い状態であるということです。

その正方形の真四角のイメージから転じて、人の性質に当てはめたのが二つ目の意味になりますよ。真面目できっちりしているというニュアンスから、生真面目すぎて柔軟性が不足しており融通がきかないという意味につながっています。なお、人の性質として使われる場合は、マイナスの意味で使われることが多くなっていますよ。

「四角四面」の語源は?

次に「四角四面」の語源を確認しておきましょう。

「四角」は、四角形や四つの角という意味です。「四面」のほうは四つの面という意味もありますが、ここでは周囲や四方という意味で使われています。周りのことなので四つの辺のことですね。四つの角と四つの辺を表すことから、正方形という意味につながっています。

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「四角四面」の使い方・例文

「四角四面」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。二つの意味があるので、それぞれの意味を含む例文を紹介しますよ。

1.私のふるさとには、昔の天皇に関連する四角四面の古墳があり方墳と呼ばれている。
2.彼の上司は四角四面な性格のせいか、部下を含めた他の社員に対しても過剰に礼儀正しい対応をする。

1.のほうの例文は、日本においての昔の権力者の墓といわれる古墳の話です。円形の古墳は円墳というのに対し、正方形の古墳は方墳と呼ばれます。ここでは四角四面であるので、方墳を指しますね。

例文の2.は、物理的な形ではなく人の性質を表す表現です。ここでの上司は、融通をきかせたり相手によって微調整したりすることができない様子から四角四面と言われています。

「四角四面」の類義語は?違いは?

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それでは、「四角四面」の類義語についての説明です。主に性格を表す四字熟語を紹介しますが、プラスの意味かマイナスの意味かにも注目して見ていきましょう。

「杓子定規」

「四角四面」の類義語には、「杓子定規(しゃくしじょうぎ)」があります。意味は、「一定の基準や規則、形式で物事を判断し融通がきかないこと」です。「杓子」は飯や汁をすくう道具で、「定規」は物を測るものを表します。このとき、「杓子」の柄が曲がっていることから、曲がったものを定規として使うわけなので正確な判断ではないという意味があることがわかりますね。

「四角四面」とはほぼ同じ意味であり、ニュアンスとしてもマイナスのイメージを持つので、そのまま言い換えても問題ない表現です。

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「謹厳実直」

類義語の二つ目には、「謹厳実直(きんげんじっちょく)」があります。意味のほうは、「きわめて慎み深くまじめで正直なこと」です。「謹厳」は慎み深く厳格なこと、「実直」は真面目で正直なことを表しています。

真面目であることについては「四角四面」と同じですが、「謹厳実直」のほうは真面目で正直であるということをプラスの意味でとらえた表現です。ビジネスなど仕事の場面でも使われることがありますよ。ただ、必ずしもプラスとは限らず、「四角四面」同様に真面目すぎるという意味でマイナスのニュアンスで使われることもあります。

「四角四面」の対義語は?

次に、「四角四面」の対義語について見ていきます。対義語は二つ紹介しますが、それぞれに独特のニュアンスがあるので、丁寧に違いをチェックしましょう。

「臨機応変」

「四角四面」の対義語には、「臨機応変(りんきおうへん)」があります。意味については、「状況に応じた行動をとったり、対応をすること」です。「臨機」は事態の臨むこと、「応変」は変化に応じることを表し、「機に臨んで変に応ず」と訓読することができます。

「四角四面」とはちょうど反対の意味になり、「臨機応変」はニュアンスとしてはプラスの表現になっていますよ。

「融通無礙」

もう一つの対義語は、「融通無礙(ゆうずうむげ)」です。「意見や行動が自由で、状況に応じた処理や解決を行うこと」という意味になります。「無礙」は「無碍」と書くこともありますが、読み方は同じく「むげ」です。「融通」は異なるものが溶け合うように一つになるイメージから「すんなり通ること」を意味し、「無礙」は妨げるものがないことを表します。

「四角四面」とは違って、こちらも「臨機応変」のようにプラスイメージの四字熟語となっていますよ。

「四角四面」の英訳は?

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最後に、「四角四面」の英訳について見ていきましょう。意味は二つありましたが、主に人の性格を表すほうを中心に説明していきますよ。

「formal」

「四角四面」の英訳には、「formal」があります。もともとは「正式の、公式の」などの意味を持ちますが「形式ばった、堅苦しい」という意味もあり、「四角四面」とはほぼ同じ意味です。「formal」の「堅苦しい」という意味合いでは、「四角四面」と同じくマイナスのニュアンスがあります。

また、一つ目の意味の「真四角」のほうは、「a regular sqare」と表現できますよ。

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「四角四面」を使いこなそう

この記事では「四角四面」の意味・使い方・類語などを説明しました。

意味としては、すべての角と辺が等しい正方形のようにきっちりしているということなのですが、きっちりしすぎているのは嫌われることもあるようです。類義語や対義語の多くも、融通がきくほうがプラスイメージになっています。

話の内容によって、プラスイメージかマイナスイメージなのかをわかった上で使い分けると安心ですね。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「四角四面」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「四角四面」について解説する。

端的に言えば四角四面の意味は「考え方や態度が真面目すぎて、堅苦しいこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「四角四面」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「四角四面」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「四角四面」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。「四」が二回も出てくる特徴のある表現ですね。意味や語源とどうつながっているのか、詳しくチェックしていきますよ。

「四角四面」の意味は?

「四角四面」には、次のような意味があります。四角四面には、もともとの意味と転じた意味と二つあるので、それぞれの意味をじっくりと見ていきましょう。

1.真四角であること。
2.ひどくまじめで堅苦しいこと。非常にかしこまっていること。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

意味の1.については、真四角であることなので、物理的に図形が正方形であるとか、場所や建物が正方形に近い状態であるということです。

その正方形の真四角のイメージから転じて、人の性質に当てはめたのが二つ目の意味になりますよ。真面目できっちりしているというニュアンスから、生真面目すぎて柔軟性が不足しており融通がきかないという意味につながっています。なお、人の性質として使われる場合は、マイナスの意味で使われることが多くなっていますよ。

「四角四面」の語源は?

次に「四角四面」の語源を確認しておきましょう。

「四角」は、四角形や四つの角という意味です。「四面」のほうは四つの面という意味もありますが、ここでは周囲や四方という意味で使われています。周りのことなので四つの辺のことですね。四つの角と四つの辺を表すことから、正方形という意味につながっています。

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