フィルヒョーの誤り
さて、私たちの体に生じる病気には、自分自身の細胞の異常が原因ではなく、体外から侵入した細菌やウイルスが原因になるものも存在しますよね。
残念ながら、自分の細胞病理説に絶対的な自信を持っていたフィルヒョーは、細菌による疾患があることを認めませんでした。「すべての病気は自身の細胞に原因がある!」と信じてやまなかったのです。ちょうど、パスツールやコッホといった微生物学者が登場し、細菌の研究が花開き始めた時期だったのですが…。
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「すべての細胞は細胞から生じる」
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細胞病理説を提唱するにあたり、フィルヒョーは「すべての細胞は細胞から生じる(Omnis cellula ecellula)」という有名な言葉をのこしました。
何気ない言葉ですが、「細胞は細胞からしか生じない→体は細胞の集まりでしかない→健康も病気も、すべては細胞の状態次第」ということで、これは細胞病理説の土台となる考え方なのです。
近代的な病理学の基盤をつくったフィルヒョー
高校生物の授業で習うのは「”細胞説”のフィルヒョー」ですが、実際のところフィルヒョーは病理学で重要な役割を果たした人物です。医学の道を目指す皆さんには、とくに名前を覚えておいてほしいと思います。



